⚪︎ウイニングショット 全3巻 原作 寺島優 作画 小谷憲一 1982年
小谷先生らしいラブコメ、お色気、青春要素でフックをつけたゴルフ漫画、途中でワンナウツ並みの盤外戦術が出てくるのが面白いです。相方の女の子と徐々に距離が縮まっていくのがたまりません
ニクラウスにゴルフを教わった事がある涼は我流でゴルフを覚えてプロゴルファーを目指す。養成所で知り合ったさやかをキャディーとしてコンビを組み、ジュニアの大会にエントリー、様々なライバルと戦うというストーリー。キャラも立ってるしなぜ売れなかったのか不思議です。
ジュニア養成所のテストにオマケ参加から合格
養成所の入れ替わりをかけてゴルフ対決
2話でテスト合格4話から試合と展開も早い
無理矢理キャディーをやらされているさやかと次第に仲良くなっていく涼
ボーイミーツガール大好き津尾さんは
少年少女呼びが大好物です。
これ、絆が深まってる感があっていいですよね。
負けず嫌いでちょっとわがままだけど入れ替わりをかけたライバルを応援したりと、主人公の好感度を上げる描写が上手い。応援したくなる2人。
土壇場で怪我からミスをする相手選手に勝ちをゆずる涼
自由にゴルフをしたいと家出したさやかは行くところがなくて涼の家に居候する事に。
ちょっと珍しいヒロインの居候。
ラブコメ要素も上がっていきます。
お金のない2人が大会に出る練習をする為に金持ち爺さんに勝負を引っ掛けます。
負けたらさやかはヌードモデル!
ここに1ページ割くあたりわかってる小谷先生。
女子大生プロゴルファーと金持ちおじさんのコンビに挑みます。
負けそうになって自虐的になるさやかを叱咤する涼
もう付き合っちゃえよ!
これ、自分のヌードがかかってるのに涼がミスしても責めないで、自虐的になるあたり、すごい、いいとこのお嬢様感が出てて好きなんですよね。更に涼がさやかを守る為にチャレンジするあたり立ち位置がナチュラルにナイト。ゴルフ物に見せて恋愛模様なのがいい。
試合に勝っだけど事故で怪我をしてジュニアトーナメントに出れなくなったさやかは再び涼のキャディーとして出場。
コンビでの描写が人気があったのか、ヒロインを出す苦肉の策か、どちらにしろ序盤で2人を一緒に描くのは正解だと思います。
続々と登場するライバル達
ロックンローラー、エリート、野生児、さやかを怪我させた金持ちのボンボン、もとさやかのスクールの生徒。ライバルを一気に出すのは圧倒的に正しい。
ハマのローラーと
優勝候補筆頭のエリート
鷹使いの野生児
さやかに怪我をさせた金持ちボンボン
鷹使い渡瀬とボンボン郷田と涼の3人で回ることになりますが、ここから問題のシーン。
なぜゴルフ漫画に鷹が?
風を鷹で読む渡瀬
クレームを入れる郷田
これに対し対して鷹はキャディーだ!、で押し通す涼。
と、通った!正気か?大会委員
続いて郷田の罠にかかりピンチの涼
崖下からピンの方向がわからず困っていたら、恩返しに教えてくれる鷹のムサシ
キャディー以外から助言をもらったとして告発する郷田。これはゴルフ漫画なのか?
そんなことは知らないで突っぱねる渡瀬
素振りのフリで鷹を潰しに行く郷田
お前ら真面目にゴルフやれ。
結局渡瀬は鷹を連れて退場し、涼が決勝に勝ち上がります。残念ながら打ち切りが決まってしまったため、決勝はダイジェストでおくられ涼の優勝が決まって完結。
盤外戦術はともかく、少年少女の恋愛以前のくすぐったい関係を描きながら、ゴルフ漫画としても面白い出来になっており、展開の速さや、ライバルの出し方など構成も良かったと思うのですが、なんで成功しなかったのかなあ。
非常に惜しかった打ち切り漫画の名作だと思います。