ラブ&ファイアー 全2巻 平松伸二 1985年
世界チャンピオンの息子、炎は事故で両親を亡くしアメリカのスラムで育つ。数年後幼なじみの愛と再開した炎はプロボクシングの頂点を目指すことになる。
両親を亡くしたところから話ははじまる。
スラム仕込みのボクシングテクニック
1話から登場する3タイトル統一チャンプ・ジーザスが最後の敵かと思いきや闘うことすらなく連載が終了しました。まあ世界チャンプと戦うのは展開的ラストになるから仕方なし…。日本チャンプにすらならずに終わったからね…。
ラスボス・ジーザス
最初のライバル、スナイパー
ジーザスの右腕
ロックな感じの効果音かと思いきや、指を鳴らす音がBOKI BOKIと表現されています。か、カッコ悪…。
炎の拳と死神の拳、効果で戦う2人
こうしてみると車田御大の英語効果音が洗練されていることがわかる
マイケルジャクソン似のチャンプの右腕ボクサー・スナイパーと初試合で勝利した後、突然日本に舞台が移り、リングでの恨みを代わって晴らしてくれる「まぼろしのボクサー」草影幽児の話になりますが、ニーズがニッチすぎると思います。そんなにボクサー恨まれてるのかよ。
あと、津尾さんあまりに自然に恨み晴らしボクサー編に突入したので新連載が始まったのかと思いました。
上の戦いの次の週、なんの説明もなく主人公が交代
必殺仕事人ボクサー登場
怨念を背負って戦う草影
平松先生お得意の必殺仕事人ボクサー回を数回重ねたあと日本に戻ってプロデビューした炎と草影が対決して終了。ボクシング物として練り込むより本能とか魂とかで闘うスタイルなので、バトルに深みが出しにくかったのがちと辛かったように思います。スナイパーとの戦いでそのスタイルは出し切ったので、続けても同じになる。実際2回目の炎の試合である草影戦は焼き直しになっています。作者も困ったんじゃないでしょうか。世界有数のボクサースナイパーに勝ったのに今更日本で4回戦からやるの?そもそも、ボクシングバトルとしてやりたい事大体やり終わったんだけど次のバトルどうすれば盛り上がるの?
草影と対決
スナイパー戦と同じく効果で戦う2人
炎の試合公式戦はこれオンリーなんですよね…。
かと言って、リアルな技術論を繰り広げる段階は過ぎてしまったし、おそらく作者の知識も追いついていない。必殺技を出すとりんかけになっちゃう。という落とし所が草影だったのかなと。
ボクシング物としてどういうスタイルでみせていくかを突き詰めないまま連載してしまったのが、ダブル主人公という迷走の形で出てしまったんではないでしょうか。ちょっと残念な作品でした。