津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

ノーサイド 1987年

ノーサイド 全2巻 ちば拓 1987年

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キックオフ、ショーリのちば拓先生がラブコメを封印して挑んだスポ根漫画。未経験ながら根性とパワーはある光が名門ラグビー部に入部して、周囲を変えながら成長していく。生き別れの父が全日本代表とかベタ過ぎた感があります。 

  

随所に昔のスポーツ漫画臭を感じます。ちょっと80年代後半には辛かった。

 

①異様に純粋な主人公

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スポーツが楽しいという事を全面に押し出した無垢な主人公の系譜。別に悪くはないし料理次第ですが、高校生にしてはキャラ造形が小学生っぽいです。

 

②身体能力は高いがルールを知らない

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野生児がルールを知らないで、身体能力でスポーツをこなす系譜。大体ルールを知らないのが穴になる。(メタ視点では主人公に教える事で読者にルールの説明が可能)

一球さんとかかっとび一斗のパターンですが、子供の頃から憧れて、ラグビー部に入るために群馬から東京に出てきたのにルールを知らないのはそりゃないぜって感じがします。

 

③感化されやすい部員

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主人公のひたむきさに打たれてやる気を出す部員たち。ちょっと簡単すぎないかなあ。

 

④主役以外のキャラクターがほぼモブ。

キャプテンと2.5軍の馬場はややキャラが立ってますが、ほぼ主人公だけで試合を行います。昔の野球漫画はこのパターン。巨人の星とか侍ジャイアンツとかですね。

 

⑤生き別れの父は元全日本代表にして敵高の顧問

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生き別れの事態がもうレアです。最近は見なかなりました。父がライバルパターン。

 

第三野球部や山下たろーくんなどちびで才能のない主人公が努力で強くなっていくスポーツ漫画が出てきた頃とはいえ、ちょっとテンプレスポコン漫画臭がキツかったです。

 

ラグビー漫画はスポーツ漫画の中でも鬼門と呼ばれるポジションで、ジャンプでもノーサイドスクラム、ビーストチルドレンと打ち切りをくらい。漫画全体でもおそらくマドンナとALLOUTくらいしかヒットがありません。近いポジションが卓球とハンドボールですが、人は何故ウケなさそうなジャンルに手を出してしまうのでしょうか

 

アメフトのアイシールド21や、カバディの灼熱カバディ、卓球のピンポンや、10種競技デカスロン、100m走のスプリンターなどニッチなジャンルで当たればライバル不在で前人未到の話は作れるんですけど、それにしてもリスクが高いと思います。

 

ちば拓先生は初回のキックオフがそこそこ当たった後は、ショーリ、ノーサイド、虹のランナーと3連続2巻で終了。サッカー、野球、ラグビー、駅伝とどんどんジャンルがマイナーになっていきました。スポーツのみで3連続打ち切りはオンリーワンの記録です。