ハードラック 全1巻 樹崎聖 1987年
世界チャンピオンを狙える器だったと言われる父を亡くし、苦労して育った勇希は、ボクシングが大嫌いだが才能は受け継いでいた。周囲に支えられ、ボクシングをはじめるが、都大会決勝でKOした相手が死亡してしまう。
タイトルハードラックはダンスっちまう不運ではなく試練の意味。
エネルギーを持て余した才能ある若者が、それをぶつけるところを見つけて、仲間達にも支えられていくというのはある意味テンプレなのですが、少年漫画のアマの試合で死亡者が出るのは珍しい展開。バイクの事故を起こしていた相手の事情もあり、事故とも言えるのですが、マスコミの激しいバッシングを受けた勇希は折れそうになりながらもまわりにささえられ、ヒールとして己を売り出してのし上がっていくというのは少年漫画としてはとがった展開でした。
アマボクシング漫画で人が死んだのはB.B.とこれぐらいでしょう。
父親が死んでどん底を経験したため、ボクシングと父親を憎む勇希
ボクシングをはじめて、周りから支えられ、本気で打ち込んでいく
都大会決勝まで順当に勝ち上がり、勇希自身も変わったと思った頃、試合相手を殺してしまう
マスコミにたたかれるが、どんな試練にも負けないと立ち上がる勇希
ビッグマウスのヒールとしてのし上がっていく
最終的にかませ犬としてエリートボクサーと対決して勝利して終わり。悪くなかったと思うんですけど、性格の悪い主人公がウケませんでしたかね…。