はるかかなた 全3巻 渡辺諒 1988年
部内対抗戦からはじまるとんでも野球漫画。究極の変化球ファイナリティーボール、究極のストレートサンダーボールを操る投手に、打率8割、目隠しでホームランの打者。投手対打者がメインの時代です。
前回のコスモスストライカーとは違い、リアル野球の皮を被った魔球漫画
飛行機事故で生き残り兄妹の様に育った春香と或太。或太はプロ野球のエースだった父を目指して強豪高校青洋高校に入学する。
青洋は部内対抗戦で公式戦メンバーをきめる為、父の死との因縁の或る天才打者氷室、甲子園優勝投手秋葉と戦うことになる。
強豪校の部内対抗戦というのはリアリティはともかく、キャラ紹介も兼ねて試合がすぐできるのでいい方法です。
部内対抗戦…せっかくの戦力を半減させるということに目をつぶれば漫画の進行としては早くていい。
バッティングはリズムだから生バンドに演奏してもらいながら打席に立ちます。
うん、匂ってきたぜ。
すぐ試合ができる展開なのは部員集めより余程いい構成だと思います。アンダースローのホップする高速ナックルというファイナリティーボールも、ありそうでないという魔球KOBEくらいのラインですが、空気との摩擦で光るサンダーボールはどうだろう…。野球に話が傾いた為、ヒロインの春香の出番が少なく、本来タッチや望ウィッチィズの様な、男女並行で頑張りつつお互いの励みになるという構成にしたかったのでしょうが、バランスが取れておらず唐突にアイドルに求愛されて映画のヒロインに抜擢されるなど、春香パートがうまくいかせなかった感はあります。
はるかとかなたの仲がほぼ出来上がってるのと、はるかの魅力が描かれていないので、展開が唐突かつ、蛇足的
アイドルにして、ライバル高の主軸バッター星野
突然の求愛はともかく、映画の相手役に素人を抜擢は1アイドルのくせに人事権握りすぎでしょ
最終的には、地区大会でアイドル打者の金属バットをへし折りながら打ち取り、甲子園出場で終了。秘密裏に作られているオールジャパンJr.に今までのライバルが参加する事が明かされます。東東京のメンツしかいねえ!
もう魔球よりリアル路線に移行しつつある時期にはちと厳しい野球漫画でした。
金属バットをへし折るだとお〜?
それはキララと毘沙門高校がとおった定番コース
メジャーリーガーでも投げられる投手が限られるファイナリティボールをなげる秋葉と打率8割の氷室を使わずに甲子園に乗り込みます。責任者、正気か?