THE EDGE 全2巻 長澤克泰 1989年
巨大テロ組織による日本でのテロを防ぐため、CD機関という超法規機関は御子神鋭士、通称エッジを派遣する。
凄腕エージェントエッジと組織の戦いを描いたスタイリッシュハードボイルドアクション漫画。
とにかくスタイリッシュ!
台詞回しもカッコいい
緻密な画力とスタイリッシュなセリフでカッコいいんですが、全体的に対象年齢が高め、渋すぎる話がジャンプ受けしなかったのかなと。
ハードボイルドは、野獣死すべしや新宿鮫、蘇る金狼等の小説の成功はあるんですが、少年誌での成功は稀で、ジーザスと死がふたりをわかつまでくらいしか思いつきません。打ち切り漫画ではマッドドッグ、改造人間ロギィが失敗しています。硬派に生きる大人の男という題材が子供向けではないこと、子供を硬派にする題材が、山崎銀次郎や男一匹ガキ大将でやり尽くされて硬派な男自体がギャグのように扱われる事が多くなった事、リアルなハードボイルドを描こうとすると話が難しくなる傾向が強い事などが原因と考えられます。
この辺りを三枚目要素を付加する事で乗り越えたシティーハンターやコブラ、ルパン、ドラマだと探偵物語あたりは、日本のウェットな展開を好む国民性をよく考えて作られていると思います。特にエピソード毎に区切られ巨大な敵と戦うでなし、超常の力を振るうわけでもないシティーハンターがあれだけ受けた事は、北条先生の作劇の巧さを思い知らされます。