津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

不思議ハンター 1990年

不思議ハンター全2巻 原作 飯塚幸弘 作画 黒岩よしひろ 1990年

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レジェンド黒岩先生WJ最後の作品 妖怪、怪異、呪い、幻獣などの不思議を追う竜太は依頼を受けて様々なトラブルに立ち向かう。元々夢枕獏とか菊地秀行らの伝奇物好きな黒岩先生が増刊に掲載した作品不思議ハンタースペシャルを原作付きで連載化したもの。

 

本人のオリジナル作品に原作を付けるのは原哲夫先生の北斗の拳と同じ手法。増刊での評判も良かったんでしょう。扱う事件も化け猫、超能力、怪獣、土蜘蛛とバリエーションに飛んでましたがブレイクには至らず。バトル展開に至るのがちょっと遅かったです。

 

 少し謎なんですけど原作の飯塚幸弘先生が、何の検索にも引っかかりません。原哲夫先生は遅筆で本人からも希望があったそうなんですが、まがいなりにもサスケ忍伝、バリオン、アスカと週刊連載をして、不思議ハンターも増刊で4話話を作っていた黒岩先生に原作が必要だったのか…。

このブログでも何度か言及してますけど、シリアスな話にコミカル描写を入れて、緊張感や、キャラの強弱を崩してしまうという悪癖はあったのですが、増刊版ではこの欠点が改善されており(安倍晴明がギリギリという感じですが)、話の質も連載版より高い印象なんですよね。バトル展開も上手く挿入されており、ワクワク感も高い。

主人公が大人で少年誌にしては非情なオチがジャンプに向かないという判断で、高校生の主人公のマイルド目な冒険にするよう編集部が原作をつけたのかもしれないですが、最後のチャンスなら本人の好きなように描かせてあげても良かった気がします。まあ、ゼンキも原作付きですし、本人がネタが浮かばないから原作希望したのかもしれないですけど…。

増刊版の不思議ハンタースペシャルは天狗、鵺、河童、戦国時代の姫の怨念の4話。半分は結末がビターエンドですが、こういう怪異・妖怪物にはそちらの方があっていたと思います。

 

バリエーションの幅は広く、バトル物にもできるという汎用性の高い設定だったのですが…。

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インパクトもなかなか

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作画も天野喜孝風など手を入れていました

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バトル展開がラストだったのが…。カード使い鳳命を早く出してバトルをちょこちょこ入れていればないか延びられたかもしれません。

黒岩作品の中でも、今回は成功するかもと思ったので、終わった時は残念でした。

 

みんな大好き外連味美形

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