津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

METAL FINISH 1990年

METALFINISH 全2巻 鶴岡伸寿/宮崎まさる 1990年 

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名門だったが暴力事件で荒れたアイスホッケー部が、夭折した兄を目指す和泉が入部した事をきっかけに復活する。

 

絵に描いたような不良部員

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いじめじみた入部試験に耐えて入部

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夭逝した天才プレイヤーである兄

ちょっとベタすぎました

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部活もの四大開幕シチュエーションの一つ。そこそこ強豪校だったがやる気を無くした部員ががぐれているパターンです(あした天兵、ルーキーズ等)。説得パートに時間はとりますが、やる気を取り戻すとそこそこ実力のある味方として活躍します。残りの3パターンは、①部活自体がなくて部員集めからする最もハードルが高いパターン(overtime、大好王等)。②大体新人の主人公の力だけでなんとかする、廃部寸前で次の試合に負けたら終わりパターン(メリーウインド、キララ等)。③最近は素直に強豪校に入って先輩の強さを見せつけられながらレギュラー争いをするパターンも多くなっています(ミスフル、スモーキーB.B.等)。

 

ピンチの時に兄のノートがきっかけで乗り切るんですけど、この手の説明が「風をまけ」とか抽象的どうにかならないんでしょうか。職人が他人に分からないようにメモしてるならわかるんですけど…。「素直に手首を返せ」と書け!

そう言えば孔雀王では信長の怨霊にやられた高野山の対魔師が、敦盛と書き残しますが、そんな余裕がかるなら素直に信長と書かんかーい!と思いました。

 

原作の宮崎まさる先生は名義を変えて原作をしており、力人伝説、あやつり左近、暗闇をぶっ飛ばせなどの原作を担当しており、ん?打ち切り原作者では…。

いや、ジャンプ以外では100万$キッド、新宿セブン、名探偵Mr.カタギリ、ドラエモンズスペシャル、松田優作物語などそこそこヒットの原作を担当。

 

原作付きだけあって、性格の真っ直ぐでちょっと間抜けな和泉、一匹狼だが以前のコンビ相手を負傷させた過去を持つのが原因の世良、気は弱いが和泉に触発されて変わっていく国松、名門の誇りを背負い部に残留している主将や、ディフェンス専門の先輩、鷹の目の異名を持つ天才GKなど練習試合をすすめながら丁寧に描写されます。東京有数の強豪校だが、暴力事件のため1年間の出場停止。部員も強豪校に引き抜かれたため、一年にも試合に出るチャンスがあり、尚且つ残っている先輩が強いというベースの設定は上手いと思います。おそらく話が進めば元チームメイトや暴力事件を起こしたやつなんかがでてきたのでしょう。

しかし、もう、新た部活を立て直すというストーリー自体がどこかでみた話感は拭えませんでした。アイスホッケーがマイナースポーツという事を踏まえてももう少しフックが欲しいところでした。

 

亡き兄を目指して奮闘!

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入部後の歓迎試合で連載終了。

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部活ものあるあるの一つ異名

ブラックホーク

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マーベリック いや、中学生でマーベリックはないだろう…
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シュート名「疾風」
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