VICE 全1巻 柳川よしひろ 1993年
青春が描きたかったー!若者の持て余してるエネルギーを!なにかにぶつけたいけど何をすればいいのかわからない迷走を!仲間とワイワイして好きな女の子に全力全開な青春が描きたかったー!という作者の思いは伝わってきます。
喧嘩っ早くて彼女が欲しい拓郎と、友人のタラシのブン、老け顔の陣内の3人組はウダウダやりつつ過ごしていたが、拓郎がある時出会った女に一目惚れ。渋谷まで出て必死に彼女を探す拓郎。しかしその女には訳ありの男がついていて乱闘に。
結局、恋は実らず、相手にボコボコにされ、少年は少し成長したというお話。恋が実らない苦さも青春です。
訳あり男、渋谷のグループのヘッド。
主人公の主張
恋は叶わないけど少しだけ報われる
作品自体が作者の持て余したエネルギーと迷走でできているので、主人公と作者の空回りっぷりがシンクロして二重構造の様になってるのは面白いんですがエンタメとしては…。
ちょっと初連載で若さが出ちゃったねという感じでしょうか。ここ三作はファイアスノーもペイントマンも、同じ系統で作者がやりたい事がいっぱいあるのは感じますし、描こうとしているんですけど筆力や構成が追いついていないというある意味ジャンプの新人らしい作品になっています。(新人が迷走するのは他紙でも同じでは?ジャンプは迷走したらそのまま打ち切りくらっちゃうから…)