ダイヤモンド 全2巻 柳川よしひろ
1996年
前作VICEに引き続き、夢中になれる何か、誇れる自分、何者かになる事を、求めつつもどうすればいいのかわからない若人の悩みを描いた作品。何も持ってない朋也は、ジョギング中のボクサーとの出会いからボクシングに目覚める。
取り柄も夢も誇りもない朋也
ボクシングと出会って、やりたい事と、僅かな自信を身につける
今回は、明確に主人公が目的を手に入れている
という点でVICEよりは一歩進んでるんですが…
前作と違い主人公の成長は描けているのですが、いかんせん主人公に火がつくのが1巻の終わりで、グジグジと自家中毒を起こしたような描写が前半部分を占める為、非常に感情移入しづらく、スタートダッシュに失敗しています。これ、前作と同工異曲で主人公の精神面などほぼ同じ形態のため、同じように失敗してるんですけど編集は何をしていたんでしょうか…。
とりあえず少年漫画で何話もかけて悩む主人公はちとウケが悪すぎたと思います。え?エヴァンゲリオン?ありゃ、使徒によるピンチの演出とエヴァの活躍で内向的なシンジのマイナス面を打ち消しつつ、アヤナミとアスカという強力なヒロインとのボーイミーツガールでフックつけてるから!