ミツバチのスズメバチとの戦いを描く昆虫バトル漫画。オオスズメバチにより生まれ故郷のコロニーを滅ぼされたミツバチのバズーは水難で群れからはぐれたさまざまな昆虫仲間と暮らしていたが、ひょんなことから知り合ったミツバチからオーダイを預り、戦いに身を投じていくことになる。絵柄のわりにシリアスで評価も高い作品。
虫仲間と暮らすバズー
オオスズメバチの急襲により仲間たちは全滅。
旅を始めることになる。1話から、ほのぼの虫漫画から面倒見のいい仲間が次々と殺されていく落差が凄い。
つの丸先生が本気を出してシリアスな虫の世界を描いた今作は、ぼろぼろ死んでいく仲間と、擬人化されている虫達の中で唯一そのまま描写されているスズメバチの無機質な殺人マシーンぶりが目を引きます。はぐれ虫仲間とか漫画チックな部分はありますが、モズとの戦いや、カッコウの托卵、針を刺すと死ぬミツバチの戦いや蜂球など昆虫のシビアな生態を描いており、惜しまれる作品です。
擬人化された虫たちの中で唯一そのまま描かれているオオスズメバチ。台詞もほぼなし。殺人マシーンの描写としてこの上ない手法。同様にモズなど、捕食者側はリアルな造形。弱い被食者側はマンガチックな描写をしています。
スズメバチに狙われながら女王を、生き残りのミツバチの元へ送り届けようとするバズー。成り行きで行動をともにするケラのライバーとゲンゴロウのデブリン。モズや、スズメバチに襲われながらも包囲網を潜り抜け、ミツバチの生き残りと出会って、再興をちかって終わります。ミツバチ対スズメバチという、群れで初めて勝負になる対決がメインになるため、基本的に逃げ回ることになってしまうのがすかっとしなかった原因でしょうか。