津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

りりむキッス  2000年

りりむキッス 全2巻 河下水希 2000年 

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空から落ちてきた瓶の蓋を開けたらエロい格好した女の子が出てきてキスされました。という思春期の男の夢を凝縮したような展開。夢魔のりりむと貴也のちょっとエッチなラブコメ。珍しいというか、ラブコメだけど純愛系です。


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女性作家だからか、ライバル、ラッキースケベ要員がほぼおらず、サービスシーンはりりむのみ。りりむも夢魔なのでキスや露出の高い服装に抵抗がないだけで性格は普通の女の子、より純真で一途なキャラとして描かれています。

 

エッチなシーンだけど、りりむが夢魔だから羞恥心がなく、結果エッチになっているというスタンス。

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真也の気持ちを理解する為に文字を勉強したり、真也の恋愛模様を見ているうちに、だんだんと、心惹かれていくりりむ。キャラとしては初恋に戸惑う乙女。

 


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夢魔だからエロいことはするし、肌を晒すのもキスをするのもおっぱいに触られるのは気にしないけど、キャラとしては純真で素直だから、初々しい恋愛模様も描ける。命に直結する生気を吸わないといけないけど、生気が美味しいから主人公から離れないし、家にいつく。という、エロいけど強引で心は初心という矛盾を成立させた美味しいキャラ造形になっています。結構考えられてますよね。

 

エロコメで対象キャラが1人というのが敗因な気もしますが、これは、同系統のてんで性悪キューピッドや、レディジャスティスも同じで、対抗馬となるヒロイン不在だと主人公2人で話を回すことになる為、展開の自由度が下がる事、キャラの掘り下げが難しくなる事、好みのキャラ(推し)が発生しにくい事などが辛い所です。1on1のラブコメで成功するにはよほどシチュエーションが上手いか、ストーリーテリングが上手いか、だと思います。

からかい上手の高木さんとかの1on1特化型ラブコメは、通常のラブコメよりある一点で極端に親密度をあげることで、ラブコメの一番美味しい、付き合う前のニヤニヤしながら読める部分を抽出して、読み口をよくしています。また、

そのシチュエーションを変化をつけて提示する事で、よくあるラブコメというマンネリ感を上手く減殺してると思います。僕やばが、最近珍しい1on1ラブコメで尚且つシチュエーション特化型でなく、丁寧に仲が良くなっていくところを描いていますが、これはかなりのレアケースだと思います。

 

封印されると記憶を無くすりりむが、全てを忘れても恋心だけは忘れなかったというエロコメとは思えない、愛の奇跡を示してエンド。

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打ち切り漫画の中ではかなりきちんとした終わり方ですし、悪くなかったと思います。

ただ1on1ラブコメは前述の理由できつかったように思います。次作のいちご100%では、複数ヒロインのハーレム恋愛物にシフトして大成功を収め、意外な結末を示して、ジャンプラブコメ物の代表の一つに収まります。