魔術師2(マジシャンスクエア)全2巻 岡野剛 2001年
子供の頃の出会いをきっかけに不器用だが手品が好きなムサシが、転校生の天才奇術師クロードとコンビを組んでマジシャンの修行をしつつ、色々なトラブルを解決するというお話。プロマジシャンの監修があり、現実にも使える反面、これ系は実用性が高くなる情報を多くすると学習漫画になってしまい地味な話になりがちなのでバランスが難しいところ。
子供の頃にサーカスの美少女を助けたことをきっかけにマジシャンを目指すムサシ。
美少女の正体であり、プロのマジシャンクロード。2人でコンビを組むことに。
ちょこちょこはいる監修。
実在のテクニックのやり方を紹介。
こういうの好きなんですけど、ぼく勉の勉強のやり方解説なんかもすぐなくなっちゃいましたね。
友情物と魔術ショーだけではアンケが取れなかったのか途中バトル物路線に突入しかけます。見えないワイヤーで切断や拘束、宙に浮くなどバトルにはしやすいんですが、前半の現実路線と比較すると迷走した感はあります。ただ奇術の紹介だけだとジャンプでは厳しいので難しいところではありました。
プロデューサー役の典子の加入。
レギュラーメンバーを増やしつつ、作劇上必要な外部とのパイプ、マジックの依頼や場所の交渉役を加え、クロードの闇も垣間見せる。と上手い展開だったんですが…。
人気が取れなかったのか、クロードの父、ハッティマンがマジックのネタを書き留めたハッティマンファイルを狙う組織との戦いという展開に踏み込んでいきます。ある程度バトル展開も踏まえていたのか、前振りは少しありましたが、日常マジック物からバトル展開は、違和感を感じずにはいられませんでした。
組織に対抗するために、マジックに長けた相棒を募集するコンテストが行われますが、マジシャンになりたいやつ募集しておいて、ボディガードとかやらせるの?信頼関係は?そもそもボディガードとして役に立つの?そんなクロード主体で考えて大丈夫?相棒は真実を知ったら辞退しない?など即座にツッコミが入る様な投げやりなコンテストがひらかれ、当然の様にムサシが優勝します。なんやこの出来レース。
突入したバトル展開では、宙を歩き、見えない後で物体を切断するというマジシャンらしい戦いが行われますが、ちょっと毛色が変わりすぎましたよね。しりすぼみにバトル展開は終わります。
日常に戻り、魔術が自由にみられるエンターテイメント施設。マジシャャンスクエアを作るという夢を語りタイトルを回収。魔術を手伝う女子の女の子(ネタっこ)が加入して、ダブルミーニングのもうひとつの意味でもタイトルを回収して終了。
お父さん向けに可愛い女の子を使う手法とか面白かったわ出すけどね。
監修の北見先生は、奇術を主軸として話を進めてほしかった。もう少し書き込んでほしかった。手品で人を傷つけてほしくなかったなどのマジジャン側からの希望としてのコメントを寄せており、また、バトル展開やマジックの枠を超えた超能力が出てきたことには苦言を呈しています。エンターテイメントとして魔術を取り扱うことの難しさを感じさせました。