I'm a faker 全2巻 やまもとかずや 2001年
ネットで知り合ったバスケ好きの3人は、オフ会で初めて顔を合わすことになったが3人とも一つ嘘をついていた。トモヤは女だという事を、テツは高校中退ということを、主人公リュウノスケは口だけのバスケ初心者という事を。
トモヤの希望でストバスの試合に出ることになる3人だが、ウソがバレる事を恐れたリュウノスケは秘密特訓をすることに。嘘を隠すためにギクシャクしていく3人。リュウノスケははじめて自分のために努力して、嘘を告白した上で試合に出ることを決意する。
この手の、初動で主人公の嫌悪感を煽るような展開はジャンプではかなり厳しいと思います。最近だと、見栄を貼った嘘と盗作という違いはありますがタイムパラドックスゴーストライターも同様な失敗をしていますが、主人公に感情移入しづらいというのが致命的で、さらにそれをフォローするためにご都合主義的な展開が付き纏います。
今作では、異常におおらかで面倒見がいいテツの存在と、アメリカ帰りで主人公を鍛えてくれるリン、知識だけの主人公に、相手のクセや間を見抜く能力が身についているというのがご都合主義。特に最後は、前振りとなる観察眼が鋭いや、目がいいというエピソードなしに突っ込んできたので、それあり?という気持ちになってしまいました。
純粋なバスケ物にするにはこのフェイカー周りの展開が遅すぎて、ジャンルとしては青春物といった様相なんですが、1巻まるまる嘘つき問題でグダグダしているので爽快感がなく、青春物としてもきつい出来になっています。作者はどこに着地しようてしていたのか…。ハーレムビートみたいにストバスから部活という路線だったのかなあ。