津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

ツギハギ漂流作家  2006年

ツギハギ漂流作家 全3巻 西公平 2006年 

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例の画像の漫画!!

例の画像の方が作品より有名な上にルフィのコラ画像が本物と勘違いされており本体の知名度が低いというかわいそうな漫画。未知の秘境を発掘して作家として漂流録を発表する事が世界の注目の的になっている世界。伝説の漂流作家の弟子真備が弱小出版から秘境に飛び立つ。

 

例の画像

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本物と思われている節があるルフィコラ

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未知の世界の開拓という世界観がハンターハンター、キャラクターがワンピースに影響を受けすぎていてオリジナリティにかけた事、ライバルキャラがほぼ不在に近いこと、主人公が常識に縛られない自由な奴というより、空気が読めなくて下ネタを放つ不謹慎な奴になってしまったため感情移入しにくかったのが痛かったです。

 

登場から未知の化け物を喰らう真備

未開発見漫画の導入としては王道

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未知の世界を文章にして出版するこの世界の核である漂流録。それの真贋を保証する出版社と担当。

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目安となる未知の地域のデンジャーレベル

この辺りはまあいいと思うんですよ。

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出版者にみとめられ、漂流作家として担当がついた真備にクエストが入ります。20人の作家が死んだアウヤンプティーの森の探索。魔獣を倒し、たどり着いた森の奥にはエロオブジェを作っている老人がいました。記事にする価値もないと老人をそのままに帰る真備。

殺意満々のジジイ

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嫁さんの墓標にエロオブジェをつくり、静かに嫁さんを眠らせてやりたいというジジイ

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おいこら、人が死んでんねんで!

このジジイ静かに暮らしたいから20人殺したとか吉良吉影並みのサイコパスじゃねーか!

 

この辺りのちょっといい話にしようとしても、無理がある展開が厳しかった様に思います。

 

次のクエストは大地震で隆起した新しい島に「未知」を探しに行く新人作家達、真備の同期となるライバル達の登場。漂流作家の武器「命具」と技「ヒット」と「スマッシュ」の説明回の様な内容。

和風縛りなのに、技をヒットとスマッシュにしたり必殺技がアンブレラだったり統一感のなさが気になります。島に逃げ込んだ犯罪者を捕らえ改心させ、事件は解決するのですが、真備はまたしてもこの程度の事件は漂流録にする程でもないと同期に手柄を譲ります。お前作家なってから何にもやってねーじゃねえか!

 

とりあえず傘はともかく和風縛りで身近な物を武器にするとはいえ、武器の選択肢がダサいのが致命的だった気がします。なんだよ生米が武器って。いや、オリジナリティーはあるよ、オリジナリティーだけは。オリジナリティーを武器の選択で発揮するな。

 

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生米、軍配、骨、風船、羽毛、モップ、琵琶、カッコいい…か?

 

確かに必殺技のアンブレラなんかは、「ゴムゴムのぉ……アンブレラ!」と言い出しそうな雰囲気を醸し出していますが、正統派の刀・槍や拳で戦うんでなければ、身近な道具で真似もしやすい傘は悪くない選択肢だったかと思います。槌とか手甲で戦うよりはいいと思うよ。

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そして始まる試験編。ハンター試験以来いくつの漫画がこの試験編をやろうとして失敗してきたのでしょう。罪深い。

ツギハギ、ゴーレムハーツ、メタリカメタルカ…。

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何もしてないのにゴリ押しで選出される主人公。だから前エピソードとかで、手柄を立てておけと…。

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前エピソードでライバル候補がバタバタとやられるなか強者感を出して生き残ったライバル候補は謎の敵に瞬殺されます。なんだよそのミスリード

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地底人達に作られた人造生物阿弖流為相手に絶体絶命のピンチに真備が立ち上がって必殺技を打つ!ところで回想編スタート。

この流れ、グラナダ

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回想が終わると、決着は有耶無耶のまま数年後に飛び、みんなが活躍しているシーンで終わり。グラナダと違って3巻もあったんだからもう少しなんとかしようよ…。

 

最終話の例のセリフのテンションを序盤で発揮できていればまた違ったかもしれません。最終回間際に突っ込まれた回想編の部分の話でしたからね…?

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飄々とした主人公が飄々としたまま終わってしまったのが残念でしたが、まあ仕方ない打ち切りと言っていいでしょう。