津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

タカヤー夜明けの炎刃王 2006年

タカヤ夜明けの炎刃王 全1巻 坂本裕次郎 2006年 

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話数表記でもwikiで新連載扱いのため単巻扱いでカウントしています。

伝説の「あててんのよ」と、地味よりながら伝統のトーナメントで軌道に乗っていた学園バトルラブコメ異世界転生ファンタジーに路線変更したら12話で打ち切り食らったでござる。

 

一応経緯を説明すると、学園ラブコメバトル漫画として近未来杯1回目に掲載され、ツンデレ格闘美少女幼馴染お嬢様の「あててんのよ」という台詞が絶大な反響を呼び連載化された作品が前身。

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閃武学園、そこは力の強い者が生き残り、弱い者は淘汰されていく学校。どんな能力でも実力があれば力として認められる学園に転向したタカヤが、白川流武術をヒロインの渚から教わり徐々に強く成長していくという話で5巻まで刊行。ジャンプ得意のトーナメントバトルでプロレス、ボクシング、古流拳法と戦い主人公がそこそこ強くなったところで突然タイトルが変わりファンタジー物の1話として今作が始まりました。

 

トーナメント編の途中ではセンターカラーも取っていたこと、読み切り版の「あててんのよ」が絶大な反響を生んでいたことから人気はあったと思われるので、作者側から強力な路線変更の希望が出たのではないかと推測されています。不人気からのテコ入れにしろ、こんなパターンなかったからね…。実際の所は不明ですが、凡庸なファンタジーになった事で即効うちきりとなってしまいました。

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経緯からラストまで含めてジャンプ誌にのこる珍事であり、打ち切り漫画を語る上で避けて通れない作品となっています。主人公より強い師匠ポジションで、主人公の事が大好きで積極的なツンデレお嬢様というレアなキャラ立ちを、ファンタジー編で記憶喪失にする事で丸々消去したのは痛すぎました。

 

正直バトル描写も面白いというよりはなんとか及第点という範囲だったので、ヒロインの魅力という強力な柱が作品を支えていたと思うんですよね。that'sツンデレ

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デレが甘〜い。2回目のあててんのよ
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それなのに

炎刃王からは今までの記憶は無かったことに。そりゃないよ。
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ヒロインの記憶とともに白川流武術で培った努力半分は無駄になりますが、剣法に武術を応用した技を開発したり、一応フォローはあります。

 

恐竜の鼻くそを探したりしているうちに風呂敷が畳めなくなり、ヴァイス王国を侵略するシュバルツ王国との戦いは決着がつかないまま最後は渚と同時に必殺技を撃って終わり。

このテンションマックスの見開き最終回で記憶に残る打ち切り漫画に成りました。

よっしゃあああッ THE ENDォオ!!

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