津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

斬  2006年

斬 全2巻 杉田尚 2006年 

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とうとう出てきましたジャンプ打ち切り漫画四天王常連の斬です。画力の低さとネタのような設定、吹き出しの多さ、謎の台詞回しから四天王と呼ばれていますが、話自体は弱い主人公の成長物という王道です。

 

アクションシーン!

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指ぃ!

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ヒロイン!

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これが!これが斬だ!

 

まず、廃刀令がなく現代も刀を持つ時代。正当防衛や合意の上なら相手を斬ってもいいという魔界都市並みの治安の設定に不安を感じます。
手練れの剣士村山斬之介の息子、斬は馬鹿力だが気が弱くいじめられっ子。父の様になりたくて扱いの難しい研無刀を使っているという主人公。

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研無刀ですが、もう刀じゃなくて鉄の棍棒でいいよね。などというツッコミをする暇もなく、キャラより吹き出しの方が多い説明量で解説をしてくれます。
そして、案の定、白昼から真剣を抜いて脅してくる不良。ガバガバ無法地帯じゃねーか!

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虐められるところを、女子ながら剣道5段で刀をもつクラスメイトの月島さんに助けてもらいますが、月島さんが逆恨みされ不良に果し合いを挑まれてしまいます。

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月島さんのピンチ遭遇する斬ですが、モブかと思われた眼鏡が不良を刺殺します。殺人やりたい放題か!

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剣を握って覚醒する斬。まあこの辺は王道ですからよしとして、二重人格ではないですが、口調は変わりパワーアップ。しかし、後に判明する発動条件の微妙さがこの漫画のぐだぐだ感を加速します。
「もう立つこともままならない」と言いながら立ち尽くす眼鏡に勝利し、月島さんを救います。

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新展開に入りクラスの悪ガキ貫木と勘違いから戦う事になる斬。適当に振り回した刀で手裏剣を全部打ち落としたり、蜂に驚いて振り上げた刀で貫木の攻撃を防いだりと、特攻の拓みたいな勘違いものからほんとに強くなるパターンをやりたかった気もしますが、その辺りの描写はこの戦いだけでした。迷走ー!

 

勘違い物をやりたかったのか、弱そうに見えて、鉄の棍棒をふりまわせる身体能力は高いとかそういう方向にしたかったのかは謎のままです。

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この辺の悪運の良さとか、相手が深読みする勘違い系の描写もここだけで後にはなし。何がしたかったんだよ!

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勘違いも延々と説明をしてくれる。これぞ斬って感じ。

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各所でパロられている左が全身やられちまうなんて

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貫木と仲間になり、月島さんにも一目置かれる斬。全部、全部月島さんのおかげじゃないか!
次なる相手は用心棒を3人連れた金持ち権力者、金蔵銭太郎。青木雄二の漫画くらい分かりやすいネーミングセンスですが、月島さんをいたぶる為にさらいます。助けに行く斬と貫木。

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用心棒3人のうち、パワータイプは貫木が担当、研無刀に並ぶ扱いの難しい刀「鋭斬刀」を使う刺々森鋭次は斬が相手をします。バトル漫画のお約束「ここは俺に任せてお前は先にいけ!」。

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斬は二刀流から覚醒モードを経て勝利。覚醒モードの条件は、武士(おとこ)らしくって強く念じて刀を握ること…。人生で頻繁に突入してそうな条件ですが…。それでいいのか…

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最後の用心棒討条との戦いの前に現れる生徒会。こいつも殺る気満々です。討条のかませ犬として速攻消えますが、校長から殺しの許可をもらってます。治安が北斗の拳並みや!
討条と斬のサシの勝負で決着がつき話自体もここで終了となります。

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途中やや迷走はしてますが王道学園侍バトルとして一貫した作品にはなっています。

王道の弱い主人公→条件により覚醒→タイマンで仲間ゲット→ヒロインをさらう敵登場仲間になったキャラとチーム組んで対決→覚醒条件の判明→第三勢力のかませ犬がラスボスの力の片鱗を感じさせる→覚醒した本気の主人公とラスボスの対決。こう見ると、王道でヒロインや第三勢力、仲間、ラスボスと王道を過不足なく踏んでるんですよね。

とにかく説明台詞が多く、バトル漫画なのにテンポが悪くなること著しいのが、画力以上に読み口を悪くしている感がありますが、後半は作者の成長が窺えます。

 

説明台詞が多いのでテンポは悪い

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ジャンプ打ち切り漫画四天王は諸説ありますが
斬、タカヤ、ポルタ、ツギハギ

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斬、ライトウイング、チャゲチャ、スポーティングソルト

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斬、タカヤ、ライトウイング

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斬、わっしょいわじマニア、ポセイドン学園、スポーティングソルト

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など4つの候補の全てに含まれている誰もが認める四天王の筆頭です。

 

個人的には、ライトウィングは展開の外連味がネタとして受け止められただけで話や能力サッカー自体は面白く、タカヤは打ち切りまでの経緯が面白すぎるだけで、学園格闘物としては普通、ファンタジーはそれまで積んだ有利を全てリセットしたのが不味かっただけで、話がダメかと言われると四天王というほどではないと思います。ツギハギも同様。ハンタやワンピに似てるキャラ設定が弄られますが話自体はそこまで悪くないです。ポルタはまあ、新鮮味が全くないという意味ではクソ漫画の域なんですが、四天王かと言われると…。大体2005年のポルタ、2006年の斬、タカヤ、ツギハギと連続して特徴ある打ち切り漫画が出ただけで、本当にクソ漫画という意味で選ぶなら、サラブレッドとよぼないでとかマッハヘッドあたりも相当ひどいので、四天王の選出には何らかの魅力やフックがあった作品なのでしょう。


個人的には虚無しか感じなかったわじマニアとポセイドン学園、全く感情移入できない風天組、斬が四天王です。(結局はいる)。