HAND'S 全1巻 板倉雄一 2006年
ハンドボール元日本代表を父に持つ橘大吾は、ギャンブル狂いで借金まみれの親父のようになるまいとヒーローを目指していた。
父の借金からヤクザに追われた大吾は、ヤクザから逃げ出して、父の知り合いのハンドボールコーチの下に身を寄せる。それが大吾とハンドボールの出会いだった。
久しぶりに1巻で打ち切りの作品なんですが、ちょっとこれは仕方ないかな…。過酷な状況から夢を見つけて進むと言う方向の作品にしたかったのでしょうが、1話が息子の貯金を使い込みヤクザに追われて逃げる父親、通りすがりの少女を人質にしてヤクザから逃げようとする主人公、走行するトラックに乗ってヤクザに攫われた少女を追いジャンプ。崖から落ちる車から少女をつれてダイブ。うん、ハリウッド映画かな?意味がわからないよ。
最悪のキャラメイク。少年誌で人間のクズな親父
ヤクザに追われる主人公
ヒーローを目指してるくせに女子を人質に取りヤクザから逃げようとする
崖から落ちる車からダイブ。
ハンドボール漫画のストーリーじゃねえよ!
主人公のヒーロー願望とハンドボールというスポーツ物が致命的にマッチしていないのが問題で、スポーツに興味がない主人公をひたすら説得する漫画になってしまっています。なぜこんな大目的をわかりにくいものにしたのか…。
結果、2話でコーチがハンドボールの面白さを伝えようと努力して、3話でコーチが命懸けで主人公を守り、4話でコーチに恩にきた主人公がハンドボールをやることを誓う。主人公コーチか!ルーキーズか!感情移入もコーチにしてまうわ!
夜なべして、ハンドボールの面白いシーンを編集するコーチ
家に逆襲に来たヤクザから大吾を守るコーチ
5話から7話までチームに参加して見学しています。練習すらちゃんとしてないしルールも把握してないで8話…。
行方の知らなかった父親が、金を稼ぐために名門チームのコーチとなって、主人公の所属するチームと対決しますが、主人公側のチームのエース・仁は引き抜かれており裏切ります。圧倒的な力で差をつける仁。
そして、最終話1回前で、仁を止めるべくようやく主人公がハンドボールをはじめます。ルールその他は知らないまま最終話へ。身体能力に物を言わせて差を詰めるもマンマークされて封じられ、才能の片鱗を見せるも敗北。
ようやく本気でハンドボールを始めると言うところで完結。
ラスト二話でようやく試合でしたからね…。スポーツ物は早めに試合にいかなきゃきついんですよ…。その上主人公は、コーチが真剣だから、自分を守ってくれたから、親父が敵のコーチだから、という理由でハンドボールをやっており、能動的に面白いからとか、やってみたいわけではないんですよね。スポーツ漫画としては失敗だと思います。