ベルモンド 全3巻 石岡ショウエイ 2007年

近世フランスを舞台に、地下室から出たことのない魔女の力をもつ拷問吏が主人公という異色作。犯罪者から秘密を聞き出すベルモンド、魔女の力を持つ彼は、物質の切断・結合を操る力と真実を見抜く目を持っていた。
ジャンプでは非常に珍しい近世フランス。
グランバガンの近世イギリスと並んでオンリーワンな気がしますが、とっつきは悪かったかも。

魔女の能力による拷問という異色主人公

切断と結合の能力を生かした拷問


前半は魔女の力を持って拷問を行い、心の隙を作り出して犯罪者の隠している秘密を暴く拷問もので、犯罪者が冤罪や仕方なしに犯罪を犯したものではなく、純粋な悪役ばかりなので、拷問吏の主人公にあまり嫌悪感を抱くこともありません。闇遊戯の闇のゲームを見てるくらいの感覚。
地下室のみで進行するシチュエーションながら次第に仲間が増えていき、2巻からは魔女の力を手に入れようとするダルタニアンと三銃士対ベルモンド側の魔女の一族たちによる能力バトル物に変わっていきます。
まあいつもの!

敵は名高き三銃士&ダルタニアン!

ベルモンド側も従者がつき戦力アップ。
ガリアンソード使い!燃えるよね。

ダルタニアンの策略により目を奪われたベルモンドは外の世界に出て7区画の一つの魔女の末裔の代表として、ダルタニアンと戦う事になります。同じく目を奪うことで力を手に入れたダルタニアンもまた、魔女の末裔の代表となり目的を遂行しようとします。魔女の武器である創世の7曜剣を使える物が各区画の代表となる資格を持つのですが、ベルモンドとダルタニアン以外の資格者は登場しませんでした…。

ダルタニアンとベルモンドのダブル主人公をやりたかった意図はわかるのですが、どちらもカッコよく描きつつ因縁をつくっていく組み立てがイマイチスムーズにいきませんでした。結果、ダルタニアンの謎が明かされて即手を組んで終わりという駆け足で、何もケリがつかないまま終わってしまいました。
ダルタニアンが国を敵に回したのは、魔術に手を出し心と体を蝕まれた国王を殺すためだったことがわかり、国王生存の可能性を探るため協力することに。


最終回はとってつけたようにその前にどちらが上か決めておこうと戦いはじめてエンド。

特異な主人公の設定。拷問による秘密の暴露がメインの序盤。三銃士と近世フランスと言う時代設定などチャレンジャブルで、一部で好評は博したのですが、万人受けは難しかったのは否めませんでした。
この後、作者が脳の病気で漫画家としてやっていけなくなってしまったため、唯一の単行本になってしまいました。
しかし、4年後ペンネームを石岡瑠衣と変えて、ボイルドエッグズ新人賞を受賞して小説家としてデビューします。
凄い。作者の人生の方が物語だよ。
スペ〜るブ!!
