タカマガハラ 2012年
タカマガハラ 全2巻 川井十三 2012年
格闘一家の三男ヤマトは漫画家を目指していたが、ある日学校の不良と戦いの中で神業と呼ばれる力に目覚める。謎の教師キクチに、神業を悪用しないように仲間になるか、狩られるかをせまられ、強引につれられて高天原に召喚されたヤマトは、黄泉と戦うことになる。和風能力バトル漫画。
神業に目覚めて狩人になるヤマト
周りの人々も、次々と神業に覚醒していく
全身からカッターナイフを出す無隷奴
吸った血を筋肉にかえる怒張神
人を文字にする文字化
学園能力者バトル物で和風テイストというオリジナリティーはあったんですが、導入の能力に目覚めるくだりで不良と対戦→能力者と対戦が2連戦だったのがスタートダッシュにストップをかけたと思います。
格闘一家で元々強い設定なので、不良を自力で撃退して、襲ってきた神業使いに勝てずに覚醒、覚醒したからには高天原に召集されるか狩られるしかないというベタ流れでよかったのでは…。
あと、漫画家になるという夢が、話の上でも能力の上でも全く生かされてない死に設定なのも痛いです。
早めに導入をこなして、仲間と3人で神業使いと戦っていく方向ならキャラの幅を活かせたと思うんですよね。
同期2人はカッコいいし好感も持てる。
能力も中二テイストで受けそうだったんですけど。
神業に目覚めたヤマトが高天原の入場資格をえて、修行して仲間を作り、日本に帰ってきて、地上を我がものとしようとする業に喰われた黄泉達と戦うところで終了します。僕結構好きだったんですけどね…。
三種の神器由来の3人の仲間の能力、一瞬だけ登場するおそらくラスボスのイザナミ。和風バトルでも珍しい日本神話由来の物語、初連載にしては高い画力、使いやすい能力の設定など成功の要素はあったと思うんですが、初速が…。
特徴的な画面処理、中2心をくすぐる必殺技「百銃の王」とか「飛剣闇夜八咫烏」とか人を操作できる「遊戯聖痕」など一部に人気は博したものの、主人公の能力が未知のままというのがよくなかったでしょうか、能力を明かしてそれを応用する方向で模索をしていれば…。
まあ、この辺の敵キャラは賛否両論かもしれません。ジュウドウズでも言われてたそうですけど、キモい敵をだすならよほど爽快感がある倒し方をするか、作劇上の気持ち悪い理由がない限り、見た目で敬遠されて終わりというデメリットだけ負うことになります。
キモさはなかなか良かったのでもっとキモい方向に振り切るか、かっこいい敵を出しておくべきだったかもしれません。同様にトランクス一枚で戦うシーンもかっこいい仲間の演出という点ではマイナスだったと思います。
ヒロインの、幼馴染年上お姉さんミニスカ女子高生格闘少女のTS男体化はなかなかマニアックでよかったとおもうんですよ!