HUNGRY JOKER 全3巻 田畠 裕基 2012年
エウレカという、適合すれば神の力をつかえるアイテムを手に入れた記憶のない天才科学者ハイジが、同じ力を持つ組織、ホワイトジョーカーと共に地球の主を主張する黒い神軍(マブロ)と戦う異能者バトル物。
エウレカを手に入れたハイジ
同系統の偉人由来の能力を使うノブナガンやハイファイクラスタと違い、エウレカ(能力を引き出す正体不明のアイテム)に適合した人物が過去の偉人だったという方向にしてある為、偉人由来の能力を使うという面である程度説得力があります。また、中二的な面白さや、アイテムから能力を逆算するという闘い方ができるところも有能な設定。
偉人に関連する能力を使えるようになるエウレカ
デビュー連載でしたが、金未来杯受賞からの連載で、設定もかなり練り込んでいた感があります。ブラクロもそうですが、順をおった脇キャラの登場、組織対組織、実の兄が敵、主人公は神と人間のハーフなど多彩な設定を早めの展開でしっかり押し込んでくれています。強いていうとライバルがちょっと弱かったかなという印象。
神と能力者の戦いにおける能力者じゃないヒロインの活躍や
仲間キャラの重い過去
2人のエウレカの相乗攻撃
など、よく考えて作られていると思います。
バトルヒロインも、人外の身体(戦闘形態)をみられることを恐れる乙女な設定。かわいい
ラスボスは兄
終盤ではパワーアップした味方の見開きでタイトルも回収。人の強さは進化することということで、血液を操る能力者の協力で進化する事でマブロと互角に戦えるようになります。
進化を!進化を武器に使ったのか!
(グルグル目)
タイトル回収!
覚醒三連撃!こういうのが嫌いなオタクなんていません!
この辺りの少年心をくすぐる演出はうまいんですよね。
進化する人間に対して、ダーウィンのエウレカを持つマブロは、進化する神として立ち塞がります。ハイジはパワーアップによりリンゴのエウレカがニュートンのリンゴではなくエデンの知恵の実であることに気づきマブロを倒して、俺たちの戦いはこれからだエンド。やる事はやり切った感はありました。
進化する神
対するはエデンのリンゴ
万有引力を操るニュートンのリンゴではなく、全ての叡智を兼ね備えた究極のエウレカ、それがエデンのリンゴだった。叡智が万有引力もカバーしているという種明かしと、初期装備が最強の武器だったというこれも鉄板で少年心をくすぐる設定。構成もうまく、キャラも立ってるんですけど無表情天才研究者という主人公が少年漫画向けじゃなかったでしょうか。田畠先生は、次作のブラッククローバーでバリバリ少年漫画を描いてブレイクします。