歪のアマルガム 全3巻 石山諒 2016年
六道は想いを寄せる幼馴染の彌生をデートに誘った日、子供を助けようとして意識を失い、目が覚めると謎の組織「賽」の実験台として妖怪に変貌させられてしまう。自我を取り戻し脱出した六道は「賽」と戦うため、警察零課に加わる。
幼馴染とデートの約束をした日
気がつくと体をバラバラにされていた
この後妖怪を移植されます。
死を乞う程の痛みに幼馴染とのデートの約束を支えに耐え、意識を残したままガシャ髑髏の半妖となるも、潜入捜査官に殺されそうになり、力のコントロールできるところを見せてとりあえず生き延びることになります。構成はスムーズですが、失敗作の行末も含めて3話まで兎に角話は暗いです。
デートをこころの支えに生き残る六道
ゼロ課所属の転校生・黒水から死の宣告
4話で一時的な幼馴染との再会を果たし、5話からは零課のメンバーとして妖事件や、賽の実働部隊との戦い。ここで暴走した六道は、これ以上妖の力を使うと人間に戻れなくなる状態になりますが、そんな時に賽により幼馴染の彌生がさらわれてしまいます。ダークヒーロー物はこれじゃないと!
幼馴染との別れ
暴走した六道を救いにくる黒水
これ以上力を使えば人間に戻れない
ダークヒーロー物の王道
暴走したら殺してくれる奴がいるから大丈夫と、敵のアジトに乗り込む六道。重力操作の大天狗、すべての元凶不老不死の人魚の妖と戦い自我と引き換えに勝利した六道に相棒黒水の刃が迫りますが、2話で犠牲になったお姉さんが正気に戻してくれます。黒幕は生き残りますが、ひとまず賽とケリがついて話は終了します。
全ての黒幕不老不死の人魚の、力を手に入れた科学者
初仕事の相手にして、六道にシンパシイを感じて獄中から話しかける九尾の狐の妖まじり尾崎京。
サイコな敵の女ボスとか、元敵だけどなんとなく仲間意識をもち収容施設からアドバイスをくれる妖混じりとか、敵も味があったとおもうんですが、妖の敵はバンバン出すべきだったと思います。九尾と大天狗と鵺だけだったので、通常兵器の敵実働部隊よりは大妖怪部隊みたいなのを出すべきだったかなと。
ミツ首コンドルから大幅に画力がアップし、主人公も相棒もカッコよく、片想いが報われたとおもったら化け物になると言うダークヒーローの悲哀も描かれて、なんで受けないんでしょうね。ダークヒーロー物。アイアンナイトといい、ジガといい、メタルKといい…。暗いのはダメだとは言いますが、設定が暗くても、主人公にそれを吹き飛ばすような朗らかさか、狂気があれば読者受けはするようなので、もう一捻りだったかもしれません。チェンソーマンも、呪術廻戦もドクストもアンデラもその辺りクリアしてるんですよね。