BOZE BEATS 2018年
BOZE BEATS 全2巻 平野稜二 2018年
常人離れした魂の大きさと他人の魂を吸い取る能力をもつ少年環は、記憶を喪失して狼に育てられ、退魔部隊ボウズの一員にして東京タワーに黄竜を封印した凄腕・龍大寺に出会う。その力を危惧され、また、自らの失われた記憶を取り戻すために、環は退魔部隊の一員となる。
狼に育てられた少年環
魑魅と戦ってきた坊主
己に合わせた仏装により戦闘を行う
何故坊主なのか…。
かっこよさ重視なら陰陽HEATSとか、退魔STORMとか、拝み屋BLOODLINESでも良かったと思いますが、あえての坊主。
帯にも書いて有りますが、これ、集客力あるかなあ…。スタイリッシュ退魔アクションと画力押した方が良かったのでは。
竜大事に拾われ、東京に来て退魔部隊に入隊する環。渋谷支部の先輩葉隠、アイドルの退魔師美墨子とチームを組み、固有の能力を持った人型の魑魅を倒す3人。
強くなるために努力する3人だが、渋谷支部に人型の魑魅たちが攻め込んでくる。その目的は環だった。
東京タワーに封印される黄竜
薄氷の平和
アイドル退魔師美墨子
固有能力をもった人型の魑魅、通常より強い
因縁の相手と出会い記憶の一部を取り戻した環は、魑魅に育てられていた事、同じく魑魅にさらわれて育てられた円鹿が黄竜になっている事、自分も制御できなければ竜になることを思い出す。
育ての母の思いを胸に円鹿を助けに行く環。というところで終了。ヒロイン円鹿と敵のボスは姿すら見せずかなり中途半端です。
多分これが描きたかったんであろう回想編
子供の世話を押し付けられる生前の記憶をもった女性魑魅
最初は興味がなかった。
2人と暮らすうちに情が芽生えていく
脱走させようとして失敗
円鹿は黄龍になってしまう
魑魅の母と決着をつけ、円鹿を助けにいくぞ!で終わり。しりきれとんぼ感がすごいです。
新人ですが画力が高く、連載終了後は鬼滅の刃の外伝の作画担当をしています。ボウズビーツも作画はスタイリッシュなのですが、黄竜とは何か、匣児とは?ボスは何がしたかったのか、魑魅達はボスを出し抜いてどうしたかったのかあたりが全く言及されておらず、ヒロインもボスも登場しないまま終わります。
画力はここのところの新人では随一です。
話の展開がおそかったのと、描きたいことを描いて、間をつなぐエピソードを描いていないため、断片的な話の展開になってしまいわかりにくかったのが敗因でしょうか。「狼に育てらた少年」「魔物に育てられた少年少女」「子供達を育てるうちに愛情を持つ魔物」「東京タワーに封印された竜」「アイドル退魔師」「内部分裂する悪の組織」「固有能力」「重火器を武器とする坊主」あたりの好きな要素をつなげて話を作ろうとした様なツギハギ感があります。また、ドラマを重視するばかりに、バトルの方がなおざりになってしまいました。
魑魅同盟、もがり、百鬼夜行。この辺りがほぼしに設定になってしまいました。バトルよりならはじめから、ネームド敵幹部メンバーを出しつつ背景を掘り下げていくべきでした。初めて出るネームド敵幹部キャラが育てのお母さんでしたからね…。
ソーマやドクストみたいに他誌から引っ張ってきたのかと思うくらい作画で連載開始時は期待もされていたのですが残念でした。
なおこの⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎ーツというタイトルは、ボウズビーツ、ノアズノーツ、ダブルアーツ、ゴーレムハーツと全て失敗しているので、呪われてるのかもしれません。
今後の登場に期待です。