津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

守れ!しゅごまる 2021年

守れ!しゅごまる 全3巻 伊原大貴 2021年

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 ジャンププラスで話題となった「恋するワンピースを休載して本誌に殴り込んだ伊原大輝先生のボディガードギャグ漫画。

 

 王城財閥の一人娘、王城さなぎは暗殺者「スカル」に命を狙われたことから、ボディーガードの10歳の少年しゅごまると行動することになる。守るためには周りが見えなくなるしゅごまると普通の彼氏を作りたいさなぎの高校生活が始まった!

という学園コメディ。

 

ポンコツボディガードしゅごまる

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 ロボコ、ウィッチウォッチ、高校生家族、マグちゃんの4本連載中に5本目のギャグ漫画となったのはタイミングが悪かったですが、内容的にも、HIKAKIN、マグちゃん、遊戯王などの飛び道具が多かったのが評価を下げてしまいました。ウケてる人にはウケてるんですけど反感もかったというか。

 なんでしょう、M1でドラえもんネタをやるみたいな、自力で勝負してない感が……。後半の遊戯王カード推しもそういうわけで賛否両論。

 

HIKAKIN(実写)の登場

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マグちゃんの終わった次の週にマグちゃん

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怒涛のデュエル

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 オリジナルゲーム回とか、バーバパパ回なんか普通に面白かったので、もう少し他に足をつけてやってもよかった気がするんですけど、飛び道具が続いたのはちょっと残念でした。

 この手のギャグ漫画としては、ギャグをやりながらメインキャラを増やしていき物語の幅を広げることをきっちりやっており、レギュラーとして蛇原、小福ちゃん、藤井、葵、セミレギュラーとしてスラッシュ滝沢、愛照が配置され、更にちびっこボディーガード投入でキャラクターは揃っていました。

 増えたキャラをバトルや長めのエピソードで有効活用しきれなかったのが少し痛かったです。ちびっこボディーガードの対決回とかはちょっと弱いんですよね。ただ、蛇原の葵ちゃんを落とす回の様なキャラを活かした回もありました。

 

オリジナルゲーム回

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 オチンチン回とかHIKAKIN回とか小学生男子の心をがっちりつかむような要素はありましたし、ジャンプに少ない低年齢向け作品としては悪くなかったと思うんですけど、ちょっと飛び道具多めなのと、低年齢なのか大人向けなのかターゲットが絞りきれてない部分はありました。

 

オチンチン回

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 単行本書き下ろしではスラッシュ滝沢の切ない思いが描写されるのですが、葵ちゃん回とかしゅごまる成長回とか意外と恋愛方向のエモさの描写が上手いので、エロなしの年齢差ラブコメ方面に注力してもよかったかもしれません。

 

しゅごまる成長回

この裏でスラッシュ滝沢は切ない事に

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 終盤は振り切れたのか一話丸々遊戯王デュエルをしていたりするのですが、現在本誌に掲載されてない遊戯王のデュエルがわかる人はどれくらいいたんでしょうか。ここなんかはっきり大人向けになってしまっているミスマッチがありました。まあ、打ち切り決まってからなので、やってみたかったことをやっただけかもしれませんが。

 

 最終的には、しゅごまるが無差別に世界を破壊していく殺戮兵器であることが判明して、兄弟から殺されそうになるところを仲間たちとさなぎで救出して、めでたしめでたし。最後のしゅごまるからさなぎにあてた手紙「おかあさんみたいだった」が泣かせます。津尾さん母のような姉のような恋人のようなお姉さんキャラ大好きだからよ……。

 

 単行本には書き下ろしエピソードとして5年後のエピローグが掲載。ちなみに2巻にも一話分の暗殺者とのバトルが書き下ろされています。割と綺麗に纏まっているので読後感はいいですし、エピローグも満足のお話。ターゲットが分散してしまったとか、色々やったけど突き抜けきらなかった面はありますが、好きな人は好きだったろうなという作品でした。

 

 ただ、削除されてしまいましたが、作者が出した謝辞は余計でした。

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 連載終了後にTwitterで、「自分が信じきれないものを世間に出した」とか「自分、もっと面白い物かけます」とか書いちゃうのははカッコ悪かったと思います。