異世界行っても少年マンガの主人公は1mmもブレない‼︎ 梅澤春人 2021年 ヤングエース掲載 全3巻
久しぶりの更新はジャンプ打ち切り漫画ではないのですが、事情により「BØY」「ソードブレイカー」「カウンタック」の梅澤春人先生のコレです。
連載開始時より、「梅澤春人先生が異世界転生もの?」「ハレルヤ + ソードブレイカーじゃん」「だいたいいつもの梅澤先生」「梅澤春人、異世界、盾、うっ、頭が」などと言われていましたが、だいたいこの感想でお察しの通り、いつもの梅澤ヤンキーが異世界に転生します。
主人公は、見た目は怖くてエロには弱いけど、弱者を見捨てず助けてくれる「最強の不良(キングオブヤンキー)」を目指す酒谷鉄丸、武器は白いギター。
相棒は絵が得意ないじめられっ子の気弱な少年天野恵。2人は事故で死亡し、異世界で目を覚ます。
だいたいいつもの梅澤主人公
2人は、勇者の剣とされる鉄丸のギターを抜いた事から、1000年の間恐怖で世界を支配する名前を言ってはいけない死獄王(じごくおう)グレン・アモンと、死獄王に魔剣を与えられた悪狂魔騎士(あくまきし)達と戦うことになる。
という、清々しいまでの異世界テンプレなんですけど、そこらなろう系コミカライズと違い、拭いきれない梅澤テイストが不思議な読み口を読者に与えます。うん、デジャブ。
悪が狂う魔の騎士と書いて あくまきし!
死を極める王と書いて じごくおう!
俺たちの梅澤が帰ってきた!
魔城はゴスラルドかー、これはソドブレの勝ち。
3人目の仲間として、ユニコーン族の女騎士レイヤが加わるあたりは、やはりソードブレイカーを意識してたんでしょうか、近接戦闘タイプの女戦士レイヤが仲間に。
異世界転生もので現地で最初に仲間になった女戦士がバックドロップで敵を倒す。これが! これが! 梅澤ファンタジーだ!
この後も王道の、自分との戦いとか、回復役のちびキャラが4人目の仲間になったり、使い魔をゲットしたり、悪狂魔騎士の裏切り者が五人目の仲間になったり、勇者の剣に宿る古の力で魔法が使えるようになったりと、お約束に近いイベントをこなすのですがその全てに梅澤バイアスがかかっています。
使い魔 → ヤンキー仕様バイク型モンスター
裏切り者 → 風に乗るチャラ系サーファー
古の力 → ギターのコード
やりたい放題
なんだ、この 面白い絵面は…
ファンタジーの姿か? これが…
とにかく好きなことを詰め込んだぜ!
残念ながら5人目の仲間ができたところで、打ち切りとなってしまい死獄王との決着は着かずに終わるのですが、おそらく打ち切りが決まったであろう頃に重大なエピソードが明かされます。
鉄丸の父親は現場仕事をしている酒谷虎一
ソードブレイカーの虎一、名字は作品中では明かされず
額のアザ
ソードブレイカー最終回、虎一の子供。
我々は、この男を知っている!
いや、この眼差しと額のアザを知っている!
あ、ああ〜。
マジの続編だった〜‼︎
確かにモンスター造形は全く同じ系統だったわ。いやだって、ミコトが生まれ変わってそんな性格になる? とか多少の疑問はあるんですが、ウィッチウォッチにスケット団がでてくるサービスなんかとは違い、続編として描きたかったんだろうなというのは、あえてこのタイミングで本筋と関わりのないこのエピソードを挿入することで伝わってきます。コレ、続けば仲間にズールの転生者とか出たんじゃないかなあ。
打ち切りだったソードブレイカーが、ヤングエースに転生して一ミリもブレない姿を見せた結果、前世と同じく打ち切りをくらうという皮肉な結果になってしまいました。
ガッデム‼︎