THE・ファイター 全2巻 原作 青木英大 作画 谷上俊夫 1982年
ソ連のMiG31にF-15がやられ、日本の次世代戦闘機はF-15の改良か、新型開発かの選択を迫られていた。新型機FJXは性能がピーキーすぎて誰も乗れない機体、整備士だが唯一適性があったレイは、新型の運命を賭け自衛隊のエースと戦う。
F-15が完敗
新型の性能を判断する会議
誰も乗れなければ採用しても意味がないのでは…
日本で彼しか飛ばすことのできないのはもうワンオフ機でしょ
という疑問には、コンピュータが記憶すれば操作技法をコピーして、他のパイロットでも同等に飛ばせるとの見解。
凄い、コンピュータ系ライバルを倒す時の、「所詮機械のコピーじゃ人間の柔軟性には勝てないんだ!」フラグみたいですが、航空機ですからまあそれくらいでいい気もします。
主人公レイは才能はあるが、無茶で感情的でわがまま。負けず嫌いで勝負に負けると泣き出すが、勝つ為の努力もとことんする。
と、ふた昔前の主人公ってこんなキャラ多かったなあという作品。
流石に今見るとちょっと辛いです。
80年代少年漫画特有のガバガバコンプライアンス
F1がうまく運転できたから航空機も試してみようという超理論。大丈夫か?
とにかく「メチャクチャだ!」でなんとかしようとする主人公。こんなやつに戦闘機を任せられるか!
結局、ドッグファイトではレイが勝利し、新機体の開発が続くことになります。
言うことを聞かないレイに手を焼く上官ですが、ライバルである女性パイロット、リエに敗北することで真面目に訓練に取り組むように。
2人で競い合いながら訓練して、シュミレーターでMiG31と勝負するが、レイは実機とシミュレーターの感覚の違いが我慢できずに自損で敗北。
最後のチャンスとして上官の神に勝ったらパイロットを続けられると言う条件で再度ドッグファイト。勝利してパイロットとして認められて終わります。
同時代にファントム無頼という航空物の名作があったのも痛かったですが、少年主人公性を押し出したために、シビアで大人の世界である自衛隊航空隊とうまく噛み合わなかった印象でした。