(書影は青林工藝舎の選集より)
黒人奴隷の子供が流人の島に流れ着き生き延びる様を描いた怪作。友情努力勝利のジャンプ路線の時代に、過酷、残酷、グロというジョージ秋山路線はそぐわなかったのでしょう。後半は大幅な路線変更が行われます
しかし、前半のトラウマ描写が当時の読者にインパクトを与えていたのは確かで、中途半端な路線変更を行うよりもそのまま突っ走って欲しかったものです。
人食いボラや人食いウツボと戦い、勝手に魚や貝を食べたら死刑、から一転女の子が脱ぎサメが空を飛ぶ明るい展開に。
人の命が紙ほども軽い流人の島が舞台
死んだ赤子を骨になるまでおぶい続ける
イカれ女アズサ
人食いウツボとの戦い
噛み付いた物をくらい尽くす人食いボラ
刺激の強い描写が続いた後、大人達がいなくなり一転ライトテイストに
急にのどかになるなよ
サメが空を飛び出すトンデモ展開に
人魚の娘とか出てきて(人魚ではないんだけど)
最後まで明るく終わります
前半との落差がひどい
まあ、気まぐれオレンジロードとかキャッツアイとかウイングマンとかソフトエッチな漫画読んだ後に、子供が死んで頭がおかしくなった母親がおんぶした赤子が腐って風化して行く漫画を読まされるのはキツいと思います。
路線変更もその為だったんでしょうけど、これ2年前の試行錯誤時代なら通ったと思うんですよね。1984年はジャンプの形が固まってきた時代だったんでしょう。ウイングマン、北斗の拳、ドラゴンボール、銀牙、奇面組、シェイプラップ乱の連載が始まり、ドラマ路線や伝記路線、暗くシビアな話は消え、明朗で勧善懲悪な話が多くなります。
そのためかこれを最後にジョージ秋山先生はWJとお別れになります。