津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

三獣士  2000年

三獣士 全2巻 田中加奈子 2000年わ

f:id:jiholeopardon:20210509185617j:image


大魔物シャラマーの退治を依頼された伝説の賞金稼ぎ三獣士は、玄奘の思いを受け、天竺へ旅立つ。子供から大人に変身する三獣士のリーダー悟空。冷静なスナイパー悟浄、軽薄に見えるが心は優しい散弾銃使いの八戒。シャラマーを倒したい心優しい人間の女・玄奘。4人の旅を描いたウエスタン風西遊記

f:id:jiholeopardon:20210509190236j:image
悟空は変身すると大人の姿に
f:id:jiholeopardon:20210509193648j:image

 

エスタン風ガンバトルは、後年ガンブレイズウエストも失敗していますし、和風剣劇と比べるとハードルが高い気がします。REDやPEACEMAKERという成功例もありますし、和風剣劇にも勿論、柳生烈風剣連也や無刀ブラックみたいな失敗もありますから一概には言えませんが、ハードボイルドを基調とする「男の世界」であるウエスタン風世界観は低年齢層には馴染みのない世界であり、ボンデージファッションと合わせて、少年には刺さりにかったと思われます。モチーフである西遊記は馴染み深いものでありますが、少年誌に寄せるなら、せめてガンバトルではなく妖術バトルにしておいた方が良かった気がします。

 

途中からはほぼほぼ妖術バトルなので、ガンバトルにしてハードを上げる必要はなかったかなと。


f:id:jiholeopardon:20210509200645j:image

 

和月先生が剣心の時にドラマパートは女子人気が、バトルパートは男子人気が出ると言及していましたが、バトルの巧拙よりドラマよりの作劇なため、スタートダッシュしにくかったというのと、絵柄の癖が好みが分かれたのかなと。後半怒涛の展開がやりたかったことの片鱗を感じさせて切ないです。

 

シャラマー10大弟子!

当然打ち切り漫画では全員登場しません。

f:id:jiholeopardon:20210509201053j:image

地さつ星、天こう星。意味ありげに出てきますが特に伏線の回収はありません。
f:id:jiholeopardon:20210509201041j:image
「ヤショダラの眼」意味ありげに出てきますが、この後この話題には触れられません。
f:id:jiholeopardon:20210509201045j:image

シャラマーの部下は夫をシャラマーに殺された羅刹女の操る人形だった
f:id:jiholeopardon:20210509201056j:image

祝融との命がけのゲーム!
f:id:jiholeopardon:20210509201034j:image

悟空の親友神農は人間に嫌気がさして、己を封印していた
f:id:jiholeopardon:20210509201038j:image

 

後半2話くらいで怒涛の設定開示が行われますがまあ、時すでに遅し…。根本的には引退していた悟空たちを動かすほど、玄奘のキャラとか行動に説得力がなかった為感情移入しづらかったかと思います。