津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

天より高く! 1991年

天より高く! 全2巻 浅見裕子 1991年 

f:id:jiholeopardon:20210328074408j:image

 

動物大好き浅見先生の乗馬漫画。天性の才能を持つが、愛馬を亡くして乗馬を辞めた夕騎が、同じく騎手を亡くした暴れ馬ヘリオスと出会い、乗馬を再開、日本一を目指して行く。スーパー人間臭い動物は浅見先生の18番です。

 

愛馬が骨折したことで乗馬を辞めた夕騎

f:id:jiholeopardon:20210329095101j:image

騎手を亡くしたヘリオスと出会う

f:id:jiholeopardon:20210329095106j:image

近隣の金満乗馬クラブと対決して勝利した

夕騎は東京の乗馬クラブに誘われる

f:id:jiholeopardon:20210329095348j:image

そこで出会うライバル。黒の貴公子に時代を感じます。

f:id:jiholeopardon:20210329095353j:image

 

競馬漫画は各少年誌ジャンプのマキバオー、マガジンのシルフィード、サンデーのジャジャ馬グルーミンUP、チャンピオンの優駿の門とヒットがありますが乗馬漫画は個別競技であり、先着ではなくポイント制で熱さを出しにくい、難度が分かりにくい事などからあまり取り上げられる事がありません。単独の扱いでなければ銀の匙めいわく荘の人々で取り扱いがありますが、乗馬自体をメインにした漫画は少ないです。

 

天より高くもやはり乗馬の面白さを描くのは難しかった様に思います。浅見先生自身も「勝負よりもお馬さんと走る楽しみの部分を押していけばよかった」「感動させようという圧があって、微妙に押し付けがましさを感じると友人に言いづらそうに言われて、この意見は大変参考になりました」と述懐しています。乗馬勝負がメインとなった東京編以降はアンケートも芳しくなかったということです。

 

この後浅見先生は人間臭い動物という得意分野を描いたワイルドハーフでヒットを出します。こちらは、少年誌らしいバトルと、動物といると楽しいというお話を交互に送りながらうまくバランスをとって成功しました。

しかし、編集から少年誌なので腐女子要素は抑えてと言われたらしく、本人は気配を殺していたつもりだったそうですが、作品からは気配がダダ漏れでした…。

 

浅見先生はその後、商業誌からは離れてしまいましたが、ワイルドハーフの後日談などを描かれているようなので、気になる方は公式サイトに。

 犬と猫どちらが好きですか?と聞かれて「そんなお父さんとお母さんどっちが好きみたいな質問されても」と答えていたのはらしくって、面白かったです。

f:id:jiholeopardon:20210328074632j:image