ベストブルー 全3巻 平方昌宏 2015年
小笠原諸島の中学生青野拓海は、テレビでみた4泳法全てで高校記録を出した天海高校に感動して水泳選手を目指す。しかし小笠原にはコーチも競争相手もいなかった。1人我流で泳ぐ拓海の所に、偶然伝説の選手がやってきた。
テレビで見た伝説の水泳選手に憧れる拓海
新米婦警キルコの平方昌宏先生の次回作。可愛いキャラを封印してコメディから一転スポーツ物へ転身です。「持ち味をいかせ!」
しかも扱いが難しい競泳。ドルヒラという前例もありますが、正直競泳物は「ラフ」くらいしか成功例がない気がするんですよね…。あれも100m走の「スプリンター」くらいレアな成功例だと思います。
運命の出会いは、拓海に何をもたらすのか
高校水泳部に入部して部内選抜、近隣のライバルと勝負しながら強くなっていく拓海。メドレーを軸にしたため登場キャラが多くなりすぎてキャラの特徴が薄く、人間関係がわかりにくくなってしまいました。水泳の宿命なのですが、スイムキャップと競泳用水着のせいでキャラの判別がつきにくいです。一応キャップからでる髪型で判別できるよう努力はしてるんですが、ただでさえ服がないので誰が誰か分かりにくいのがつらいです。
仕方ないとはいえ誰なのか分かりにくい
勝負に関しても選手の特徴や駆け引きを描こうとした痕跡は垣間見れるのですが、トレーニングによる克服や戦術性でなく、最後は気持ちという展開が多く単調な感は否めなかったです。ここをうまくかければ面白かったと思うのですが、タイムや飛距離で勝負の陸上競技や水泳難しい部分ではあります。思えばデカスロンは頑張ってたね。
一応駆け引きを考えてはいたんですが
大体最後は「気持ち」勝負なんですよね‥
まあ、陸上競技とか水泳は駆け引きが分かりにくく、己との戦いに見えてしまう所がドラマ性を作りにくいんだと思いますが、どうしても試合の部分で勝負するのが難しくなっています。イメージする幻獣等でキャラづけをしたりはしてたんですが、セイレーンがなぜセイレーンかは最後までよく分かりませんでした。え、名前だけ?
解説がないとどこが凄いのかわからなかったあたり、スポーツ漫画としては致命的だったと思います。