賢い犬リリエンタール 全4巻 葦原大介
ワールドトリガーの葦原大介先生のデビュー連載。ジャンプっぽくないハートフルコメディの為連載期間は短いけれど、葦原エッセンスは感じ取れます。理詰めの考察展開や、軽妙な掛け合い、ちょっと変わったキャラクターなど、「らしい」お話。
兄と2人で暮らすてつこは、ある日海外を飛び回る両親から不思議な力をもったしゃべる犬・リリエンタールを届けられる。リリエンタールは不思議な現象を起こし、2人はリリエンタールと謎の組織の起こす騒動に巻き込まれていく。
リリエンタールが光ると不思議なことが起こる
リリエンタールが凄くいい子な上、登場キャラクターが謎の組織のメンバーを含めてほとんど悪役がいない為、優しく、心地よい物語になっています。パンチは弱かったんでしょうが、もう少し続いてもよかったと思わせるできでした。
謎の組織の一員、紳士。
チェスで勝つために初心者を探してチェスの相手をさせる。リリエンタールと勝負するが、会話も勝負もゆるゆるである
でも結末はいい話
あと、ゆきちゃん可愛い。
終盤ややバトル展開に入りますが、バトルも悪くなく、ワートリにつながる片鱗が伺えます。
クールスーツ美女のバトルカコイイ
拳法使いのてつことメカの天才の兄、面白いもの好きのゆき、幽霊のマリー、組織の紳士、サングラス、スーパー宇宙猫、ライトニング光彦など、キャラが多いわりに立ち位置が纏っているのでスッキリ読めます。
とにかく健気なリリエンタールが可愛いく、周囲のキャラにも悪意がないので、ほのぼの路線が好きならオススメです。長く続けばルーミックワールドみたいになっていたかも…。
「おことわる」とか「ごぼうむき」とか緩い言語センスが好き
サムライうさぎとか、背筋をピンと!とかもそうだったんですが、恐竜大紀行や惑星を継ぐものとは別の意味でジャンプに求められるテンションではなかったですね。この終わりのない学園祭感で掲載時にはサンデー向きの作家さんかなと思ったんですが、次作で見事にジャンプ向けの漫画を送り出したのは称賛に値すると思います。