津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

鏡の国の針栖川  2011年

 

鏡の国の針栖川 全3巻 叶恭弘 2011年

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片想いしている真桜を事故から助けた事から、真桜の持つ魔法の鏡に閉じ込められてしまった針栖川。鏡の中の針栖川と真桜の秘密の生活が始まる。

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ルール1.マスターミラーに閉じ込められた人間は鏡を通してしか外が見れない

2.鏡に写った鏡は覗き窓として外の様子が見られるようになる

3.マスターミラー越しに外の人間と触れた時、中の人間と外の人間は交代する。ただし時間は1時間程度

4.入れ替わりをすると覗き窓はリセットされる

5.鏡の中は眠くならないお腹が空かない

6.入れ替わりができるのは鏡に封じられた人間が想う相手だけ

7.この事を話していいのは1人だけ。2人以上に知られた場合脱出できず、封印者は永遠にかがみにとじこめられる。

8.呪いが解けるのは相思相愛の相手に告白して受け入れられた時のみ、チャンスは一回、嘘の告白、相思相愛でない場合。封印者は消滅する。

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鏡の中から女の子のパンツや裸を覗き放題というサービスシーンが多めなのと引き換えに、

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ヒロインと主人公が同時に外の世界で交流することができないため、必然的に他のキャラを絡ませるのが難しくなっています。作者自身も後悔。

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同じ作者のエムゼロに近い形で、ヒロインに片想いしている主人公と、恋愛未満の好意はあるが主人公の気持ちに気が付いていない天然系ヒロインと、トラブルをくぐり抜けながら絆を深めていく形式。今回はバトルがないので恋愛メインなのですが、主人公が基本鏡の中にいるため他のキャラと絡ませにくく話がつくりにくくなっています。

 

そんな作劇上の都合からも、メインはヒロイン真桜と針栖川、ヒロインの親友松川咲の三角関係がメインに進行することになります。

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咲ちゃんは、ヒロインの親友で、ヒロインを護る保護者ポジション。1話からシャワーシーンが登場していることから最初からダブルヒロイン制でいくつもりだったと想うのですが、鈍感ヒロインにかわり話を回す必要があるため、よく気が回り、性格も率直で、ヒロインを優先する健気さもあって人気を博した模様です。

 

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作者も気に入っていたのか、心なしかヒロインより扱いがいい気がします。

咲ちゃん表紙回。通常出ないメガネバージョン。

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サービスシーンも多い

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咲ちゃんが魅力的とはいえ、真桜と咲の間で揺れ動く主人公が優柔不断すぎたのが打ち切りの原因でしょうか。話自体ちょっと広げにくい設定でした。

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3人が互いの恋心を自覚して、呪いを解く為にどうするか。というところで最終回に向かっていくのですが、ちょっと切ない終わり方で終了します。この終わり方もちょっと賛否両論だったでしょうね。

奇怪噺花咲一休  2011年

奇怪噺花咲一休 全2巻 原作小宮山健太 作画 河田裕治 2011年

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比較的珍しい頭脳戦物。12の集めればどんな願いも叶う願印。印を取り戻す為には奇怪のだすトンチを解く必要がある。妖怪カルマは願印を集める相棒として一休をえらび、衆生を救済する為、一休はカルマと共に旅に出る。

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はじめはカルマに命を狙われる一休

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妖と人間のコンビ、パワー系ヒロイン、トンチバトルと、要素的には面白かったんですけど、トンチがかなり屁理屈寄り一本だったのと、途中から肉体系バトル寄りになったのが残念でした。憎めない妖の相棒のキャラがもう少し立ってたら…。どうしても、主人公を食おうとする口が悪い化け物の相棒という時点で、うしとらと比較しちゃうんでそのあたりは不利でした。

 

頭脳戦なんですけど、どんどん屁理屈になっていき、最後の二つに関してはほぼ頭脳関係ないという状態に。

先を読ませずに、頭のいい描写をしつつ、話を盛り上げて、相手も読者も裏をかいて勝つ。

まあ、毎回これやるのは至難の業ですよね…。

 

現実にない妖能力とか、相棒となったパワー系妖怪の能力とかでもう少し読者の想像を超える手法はあったようにも思いますけど、爆発的な人気をとるまでは行かなかったでしょう。

 

まあ、屁理屈ですよ

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この橋渡るべからず

これも途中まではいいんですけど、結局追いつかれたらタッチされるんじゃねえ?てのが

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掌中あばき

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3枚のかがみ

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これらのお題をクリアしていきます。

この知恵比べに納得いくかどうかで作品の評価が決まると思いますが、ちょっと屁理屈寄りだったかなあと。

最後は、「神殺し」めちゃくちゃハードル上がったし、頭脳もう関係ないよね……。

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願印を3つ集めたところで、おしまい。途中でカルマと因縁ありげに出てきたラスボスっぽい寿限無様はここだけの出番でした。
打ち切り漫画名物出てくるだけのラスボス。

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あとやっぱビジュアル的に坊主が主役なのは受けにくいと思います。
え?ボーズビーツ?あれはハゲてないから…。

元祖の一休さんは坊主で受けましたけど、ビジュアル的には厳しいので、わざわざそこでファンを減らす必要はないかと思ってしまうんですよね。ここ最近の漫画でギャグ以外でハゲが主人公って、ヒーローらしくない外観という理由であえてハゲにしているワンパンマンのサイタマと元ヴィランから主人公に転身したラーメン再遊記のラーメンハゲくらいじゃないですかね…?

 

次作のスモーキーB.B.も同じコンビで連載しますが、どうも原作の小宮山先生が奇抜な設定を咀嚼してエンタメに昇華するのが難しかったイメージです。

 

戦国ARMORS 2011年

戦国ARMORS 全2巻 榊ショウタ 2011年 

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信長が創った史上最強の武器、甦土武(ソドム)を手中に収めた秀吉は天下を統一した。逆賊の汚名をきせられた光秀は、五大甦土武の一つ迦楼羅を使い信長の姫、お長を助け打倒秀吉を目指す。

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比較的珍しい肉体派の光秀主人公

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炎を操る迦楼羅のソドムを使う光秀に対し、風を操る夜叉のソドムを使う伊達政宗(元滝川一益のソドム)、気を操る乾闥婆のソドムを使う甦った武田信玄、雷を操る阿修羅のソドムを使う天下人豊臣秀吉のバトルと、戦国武将の異能バトルという体になっています。柴田勝家乾闥婆の元の持ち主っぽいです。

 

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まあ、聖衣ですよね。

サムライトルーパー聖闘士星矢天空戦記シュラトとかの鎧物に近い。

 

みんな大好きロストナンバー、No.0の最強ソドム帝釈天を手に入れるため、秀吉はお長を必要とし、光秀はお長を守る為に生き延びたという設定。ソドム一つで千人力なので個人戦になるのは仕方ないのですが、バトル自体にあまり駆け引きがなかったのは残念でした。あと和風ギミックとあいまって仏ゾーン臭。

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こんなん仏ゾーン連想不可避でしょ。

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No.2のソドムは未登場ですが家紋から吉川元春が持ち主。丹羽長秀佐々成政あたりじゃないのね。話の流れから家康と手を組んで毛利、真田、島津とは戦う予定だったのでしょう。なぜか石川五右衛門は早々と味方として登場してますが、政宗、信玄、秀吉以外の戦国武将は尺の都合か登場しませんでした。

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戦国武将はもっと出してもよかったとおもいます。

ちょっと戦国BASARAくさいけど…。

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ちなみにラスボスらしく、秀吉は猿顔でなく戦国乱舞の秀吉並みにゴツいです。まあ、かっこよくしないとウケ悪いですもんね。どうみても猿顔小男なのに格が高く描かれた「花の慶次」の秀吉は今思うとワザマエでした。

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戦国乱舞の秀吉はラオウみたいで、初見で誰かと思いました。

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メルヘン王子グリム 2011年

メルヘン王子グリム 全2巻 渡邉築 2011年 

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メルヘン王国から来た王子グリムは、達彦を自分の代わりにメルヘン王子に仕立てるため、メルヘン菌に感染させ、メルヘン人にしようとするというラブコメ寄りギャグ漫画。

 

メルヘン力の高さから、メルヘン王子にスカウトされる達彦。

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ギャグだから許されるけど人体強制改造というとてつもなく重い呪い。永井豪作品なら悪堕ちして世界が滅びますよ、これ。

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童話のキャラを召喚できる能力、ヤクザ映画などが好きでアンメルヘンなグリムの行動など中々話が展開しやすく、学校のアイドルのツンデレヒロインにキスしてもらわないとメルヘン人になってしまうという理由づけも付与され、うまい作りになっていたと思います。小ネタの出来も好きでした。

「ドリンクバーを背負った利休」というパワーワード

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金太郎だから額に金の字で、金だからキン肉マンという分かりにくボケも僕は許すよ。
ヒロインの親衛隊や、グリムに恨みを持つ仲間、グリムのライバルなどの配置も上手く2巻にしてはスッキリまとまっています。
正直、ラブコメ部分を際立たせる画力があれば生き残れた気がします…。

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お母さんの下ネタとか、痴女系サブヒロインとか需要はあった気がするんですけどねえ。一応、痴女系ヒロインとしては神原駿河の方が早いです。お母さん可愛い。が、少年誌向けではなかった

 

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DOISSOL 2011年

DOISSOL全2巻 村瀬克俊 2011年 

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はいまず、DOISOLじゃなくてDOISSOLな!

検索するとDOISOLの方が多く出てくるのが泣かせますが、津尾さんDOISSORで以前ツイートしてました。すみません。反省します。

 

自由なサッカーでブラジルを目指す勝歩と学生サッカー監督大将はお互いを認めあい、強豪校に勝つ為に力を合わせる。ダブル主人公の一人が監督で、1人がプレイヤー。戦術について触れるのが特徴ですが、細かい解説はありつつもやる気とかメンタルメインの段階で終了したのが残念でした。ジャイキリ路線を先取りはしてたんですよ…。

 

天才高校生サッカー監督

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インスピレーションのプレイヤー
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2人が同じ高校で出会うところから始まります。
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廃部寸前だけど学生監督のネームバリューでそこそこの一年が集まった羽石高。そこで監督試験で新入部員の紹介、強豪高校の一年と練習試合、2.3年を引き摺り出すも完敗といいペースで進行するんですが、完敗のショックで部員が辞め部員集めと、試験で落とされたやつが報復に不良を連れています。要るその展開?

 

いきなりBOY並みに治安が悪くなる学校

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試合してたのに2巻から始まる部員集めという非常に珍しいパターン。なんで!?

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ねえ、兄ちゃん部活漫画なんですぐ部員集めしてしまうん?

えー、かれこれ5作目の部員集めですが、そもそも部員集めして成功した部活漫画、1番最近でH2くらいじゃないですかね?なんでみんなこの展開やるのん?メリットはわかるんですよ、廃部寸前または新設なので、一年でも試合に出れる。

 

メンバーの紹介ができてキャラが立つ、理由があって部活をやってない名選手を入れる事で一年チームでもそこそこたたかえる理由づけをつくる、勧誘にあたり、部員がいない為スムーズに誘える(先輩がいるとレギュラーをスタメンから外す為の勧誘になってしまう)、ある程度モチベーションを確保できる。メンバー集め自体の時間制限などのピンチの演出、など、分からなくもない部分もありますが、序盤に尺を取られる痛手を考えるとこの時期にやる必要あるのかなあと。ダイヤのエースもエリアの騎士も大きく振りかぶってもアオアシも特に問題なくスタートできてますからね。

 

ちなみにこの時期、2010年25号から40号まで少年疾駆、2010年42号から2011年12号までライトウイング、2011年11号から28号までドイソルとたたみかけるようにサッカー漫画が連載されます。ワールドカップの年だったからでしょうか?言うてももう次の年入ってるんですけど…。打ち切られたからよかったものの続いていれば黒バスフープメンに続く蠱毒の誕生でしたよ。ジャンル蠱毒やめろぉ!

 

興味深い事に、ドイソルの担当は必殺シュートなどはない本格系という条件をつけており、時代の流れがリアル系戦術スポーツに移っていることはうかがえるのですが、連続サッカー漫画の中で1番評価高いの能力系のライトウイングだと思うんですよね…。

 

 

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LIGHTWING 2010年

LIGHTWING 全3巻 神海英雄 2010年

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元Jr.ユース全国制覇チームの1人・天谷吏人は強豪校と間違えて弱小サッカー高校に入学してしまうが、そこから全国制覇を目指す。打ち切り漫画の中でも有数のネタ漫画ですが、内容は熱く、うまくいけば黒子のバスケのような能力者サッカーの道を切り開けたのでは…。個人的には好きです。

 

やる気のない先輩達に火をつけて、吏人は最強を目指す。口癖は「2秒で忘れて」

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1話2話で主人公の紹介とチームの再構築(部活物におけるメンバー集めのパート)を果たし、3話から古巣のユース2軍と戦って、自軍と一流との実力差を感じさせ、チームメイトのモチベーションを上げ、ライバルを登場させ、ラスボスの存在を示唆、最終目標であるインターハイ優勝からの高円宮杯で最強を決めると言う目標の提示と、かなり器用な進行をしています。

 

ラスボス「あの人」の示唆

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選手としての特性

能力サッカーの片鱗も見せる

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最終目標高円宮杯が今年でラスト、今年度にインターハイ優勝をするしかないと言うとんでもない目標も提示。正直進行は理想的だと思うんですよね。

 

 

地区予選の一回戦では都大会ベスト4とあたり、チームメイトの能力が覚醒。能力サッカー漫画の道へ進みます。

 

無尽蔵の体力をもつ「沈まぬ太陽」(アンブロークン)

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能力サッカーが決定づけられた回で「あの人めも登場。かつて、少年サッカーで吏人と同じチームであり、全国優勝を果たしたチームメイト。そして、相手を見下したサッカーで、相手チームばかりか、味方のチームメイトの心まで折った悪魔のような選手シアン。

 

過去の栄光より未来を見ることを優先する吏人の「2秒で忘れて」に対して、対比するシアンの「刹那で忘れて」は相手に一切の興味がないことを示すセリフ。

ライトウイングの代名詞とも言える応酬

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人の心を折ることを楽しむシアン

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かつて、シアンの悪魔の技術により、優勝したことになんの感慨も持てないチームメイトがサッカーをやめてチームが崩壊した過去があった。

 

 

敵も味方も含めて人の心をおる天才シアンに対し、唯一心を折られなかった吏人が仲間を集めてシアン率いるユースチームに挑むという本筋が明かされます。

 

人の心を折る天才であり、それを喜びにしてい

るシアン。

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一矢報いて再戦を誓う吏人。

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この後地区予選を進むごとに能力に目覚めていく仲間達。正直ここの下りをもう少ししっかり見たかった。箸休めのマネージャー回よりもこっちが…。だって、仲間が覚醒していくシーンて1番気持ちいいところじゃないですか!

おそらくこの前の回想編で打ち切りが決まったのだと思いますが、この後高速で話が進行します。

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勝戦のみ、同じトランセンドサッカーを使うチームに対して、最初からネームドだった佐治先輩の覚醒で1話描かれます。

 

覚醒する佐治

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一気に時が進み高円宮杯の決勝でシアンと戦う試合が始まり、開始早々ツバサをもがれる吏人。

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吏人達の能力に対して、「ああ無情」を自称するシアン

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元コーチの激励を受け、曲がれたツバサの代わりの新たなツバサを手に入れ日本最強になることを宣言する吏人。

ライトニングはライトウイングとなった。

で、タイトル回収。

 

伝説となったラストシーン

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サッカーより心を折る折られない、モチベーションがあるなあ、目標を先に持つ、夢を手放さないなど人間ドラマよりの描写がメインのため、サッカーの試合自体の爽快感が目減りしてしまった面はあります。少年漫画としては能力を活かしたカッコいいサッカーシーンが求められていたのかなと。

 

しかし、この人の心を動かす、人の心を壊すという形式のバトルやラブコメ部分は次作の吹奏楽指揮漫画Soul catcher(s)に受け継がれ、昇華されます。


ソウルキャッチャーズは10巻以内で読める面白いジャンプ漫画としては武装錬金、M0と並んでお勧めのジャンプ漫画です。

 

 

SWOT 2010年

SWOT 全3巻 杉田尚 2010年

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斬の杉田尚が帰ってきた!

ガリ勉の学崎強は勘違いして不良高に入学してしまう。そこは、3組の不良グループがしのぎを削り、人体の気を操る「カクゴ」の使い手の集まる場所だった。学崎は学校内の不良の抗争に巻き込まれていく。

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まず斬の時に比べると画力は格段に上がりました。(1枚目斬、2-4枚目今作)女の子がかわいいし、エッチ。

 

斬ヒロイン

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SWOTヒロインズ

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闇暗氷(やみくらこおり)、無限輪廻(むげんりんね)、首落迷(しゅらくまよい)など中二病の光るネーミングも健在。

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斬からの反省なのか、最初から強いキャラという設定の主人公なのでカッコよく見せられるのも好印象。努力して強くなる主人公ではなく、最初から強くて、徐々に底を見せていくケンシロウとかネウロとかのタイプ。


ガリ勉の故に攻撃パターンを見切ったり、衝撃を計算して攻撃したりと、頭がいいというキャラも生かしました。


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強い男と戦うのが趣味のライバル闇暗氷は、学崎を敵視していますが、なんだかんだで協力して1年の不良を倒していきます。この辺ちとテンプレくさいですが、敵、味方、第三勢力は盛り上がるので仲間ではない強キャラの配置はいいと思います。

 

入学→不良との喧嘩→ライバル登場→1年三強との抗争(カクゴの習得)→2年の敵登場→最強の敵とランクアップしていく構成もわかりやすく、構成はシンプルでテンプレ傾向はありますが全体的に悪くないのでは…。

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まあ、斬との比較だと9割の打ち切り漫画が悪くないにないってしまうんだけどな!

 

ヒロインとは別の女性キャラも登場して女子バトルも始まりますが、イジメから助けるために喧嘩を教えたら抗争に巻き込まれたって逆恨みがすぎるよね…。女性キャラを出したかったのか、抗争を多面的に見せたかったのかはわからないですが、そんなに強くない敵女キャラのバトルなので少しぐだったところはありました。

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問題はバトル方式。

なんだかんだで1年3強のグループを2つ倒し、三つ目のグループのボス倒藤と闘いますが、ここで「カクゴ」が登場します。「一般的に言われている気」なら「気」でいいんじゃないですかね…。しかし、このカクゴは、身体強化、物質強化、武器具現化など様々な使い方がありました。これ、念能力だよね!?全然一般的な気じゃねーよ!ドラゴンボール北斗の拳と男塾で気を学んだジャンプ読者舐めるんじゃあないよ!

強化系、操作系、具現化系…、百歩譲って超能力かスタンドやないか!?

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学園バトルからいきなり念能力みたいな設定になりましたが、1年にしてカクゴがつかえる倒藤との戦いの最中、学崎は裏カクゴに目覚めます。


ガンガン設定ぶっ込んできやがるな!もうちょっとカクゴの説明と実例だしてからにしてくれや!咀嚼しきれてないんや!まだカクゴ使い1人目だぞ!

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1年最強となった学崎に2年トップが襲いかかります。前シリーズで戦った倒藤の親友斬島が再登場するなりかませ犬です。
特訓でカクゴを使えるようになった学崎と闇暗は2年コンビも撃退し、最強の3年が姿をみせます。


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現頂点の終創始も姿をみせますが特に活躍はしません。思わせぶりなだけでしたが、こうした最強キャラを事前に出しておくのは結構大事です。成長したなあ。

 

平和主義の頂点終は後継者を探すだけで傍観。

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最後の敵首落の毒にやられた仲間を助けるために学崎は対決に向いますが、首落はとんだサイコ野郎でした。高校の番長になったら日本全土を地獄に変えるという壮大すぎる計画。話のスケールをいきなり変えるのやめてください。

高校の番長にどんな特権があるんだよ!

この辺りの設定のあやふやさがいまいち話にのめり込めない原因だと思います。


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包丁を具現化するカクゴを使う首落に対し、仲間になった倒藤が修行でパワーアップした力を見せて圧倒します。しかし、その後第二のカクゴ、遠隔操作の目玉爆弾に倒藤は敗北。え、そんな違う系統の能力が両立できるの?設定固めてないと思って無茶苦茶やってない?メモリの無駄使いでは?とか考えちゃいますがないですが細かい事を気にしたら負けです。ラスボスだから強えんだよ!

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劣勢の学崎は裏カクゴを発動して首落を倒します。カクゴは人体の気、裏カクゴは自然界の気を操る力ということもあかされました。まあ、チャクラと仙術チャクラの違いみたいなものみたいです。

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どっかで見た設定多いな…。


次期頂点の学崎に他校の頂点が喧嘩を売ってきて、戦いは続く感じで終了。

 

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斬よりだいぶ成長してるのは明らかなんですが、設定の借り物感や、女子のサービスシーンでやたら鼻血を出す男性陣。キモとなる能力の練り込み不足など、残念な完成度には変わりませんでした。もうちょっと編集なんとかしてやれよ…。