津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

LIGHTWING 2010年

LIGHTWING 全3巻 神海英雄 2010年

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元Jr.ユース全国制覇チームの1人・天谷吏人は強豪校と間違えて弱小サッカー高校に入学してしまうが、そこから全国制覇を目指す。打ち切り漫画の中でも有数のネタ漫画ですが、内容は熱く、うまくいけば黒子のバスケのような能力者サッカーの道を切り開けたのでは…。個人的には好きです。

 

やる気のない先輩達に火をつけて、吏人は最強を目指す。口癖は「2秒で忘れて」

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1話2話で主人公の紹介とチームの再構築(部活物におけるメンバー集めのパート)を果たし、3話から古巣のユース2軍と戦って、自軍と一流との実力差を感じさせ、チームメイトのモチベーションを上げ、ライバルを登場させ、ラスボスの存在を示唆、最終目標であるインターハイ優勝からの高円宮杯で最強を決めると言う目標の提示と、かなり器用な進行をしています。

 

ラスボス「あの人」の示唆

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選手としての特性

能力サッカーの片鱗も見せる

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最終目標高円宮杯が今年でラスト、今年度にインターハイ優勝をするしかないと言うとんでもない目標も提示。正直進行は理想的だと思うんですよね。

 

 

地区予選の一回戦では都大会ベスト4とあたり、チームメイトの能力が覚醒。能力サッカー漫画の道へ進みます。

 

無尽蔵の体力をもつ「沈まぬ太陽」(アンブロークン)

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能力サッカーが決定づけられた回で「あの人めも登場。かつて、少年サッカーで吏人と同じチームであり、全国優勝を果たしたチームメイト。そして、相手を見下したサッカーで、相手チームばかりか、味方のチームメイトの心まで折った悪魔のような選手シアン。

 

過去の栄光より未来を見ることを優先する吏人の「2秒で忘れて」に対して、対比するシアンの「刹那で忘れて」は相手に一切の興味がないことを示すセリフ。

ライトウイングの代名詞とも言える応酬

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人の心を折ることを楽しむシアン

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かつて、シアンの悪魔の技術により、優勝したことになんの感慨も持てないチームメイトがサッカーをやめてチームが崩壊した過去があった。

 

 

敵も味方も含めて人の心をおる天才シアンに対し、唯一心を折られなかった吏人が仲間を集めてシアン率いるユースチームに挑むという本筋が明かされます。

 

人の心を折る天才であり、それを喜びにしてい

るシアン。

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一矢報いて再戦を誓う吏人。

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この後地区予選を進むごとに能力に目覚めていく仲間達。正直ここの下りをもう少ししっかり見たかった。箸休めのマネージャー回よりもこっちが…。だって、仲間が覚醒していくシーンて1番気持ちいいところじゃないですか!

おそらくこの前の回想編で打ち切りが決まったのだと思いますが、この後高速で話が進行します。

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勝戦のみ、同じトランセンドサッカーを使うチームに対して、最初からネームドだった佐治先輩の覚醒で1話描かれます。

 

覚醒する佐治

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一気に時が進み高円宮杯の決勝でシアンと戦う試合が始まり、開始早々ツバサをもがれる吏人。

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吏人達の能力に対して、「ああ無情」を自称するシアン

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元コーチの激励を受け、曲がれたツバサの代わりの新たなツバサを手に入れ日本最強になることを宣言する吏人。

ライトニングはライトウイングとなった。

で、タイトル回収。

 

伝説となったラストシーン

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サッカーより心を折る折られない、モチベーションがあるなあ、目標を先に持つ、夢を手放さないなど人間ドラマよりの描写がメインのため、サッカーの試合自体の爽快感が目減りしてしまった面はあります。少年漫画としては能力を活かしたカッコいいサッカーシーンが求められていたのかなと。

 

しかし、この人の心を動かす、人の心を壊すという形式のバトルやラブコメ部分は次作の吹奏楽指揮漫画Soul catcher(s)に受け継がれ、昇華されます。


ソウルキャッチャーズは10巻以内で読める面白いジャンプ漫画としては武装錬金、M0と並んでお勧めのジャンプ漫画です。