津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

奴の名はMaria 1994年

 奴の名はMaria 全1巻 道元むねのり 1994年 

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コンピューターのミスでスーパー教師と間違えて選ばれた暴力女麻里亜が学校の問題を解決していく、勘違い系ギャグ漫画。ジャンプ版GTO

 

無茶苦茶理論というか、力押し正論でヤクザを改心させる

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同じく、ヤンキー理論でいじめられっ子に、勇気を与える。いや、これで立ち上がるなら苦労はしないだろうと…。

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説得をしてるフリでヤンキーをボコる

周囲の株は上がる

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自殺する少女が、ぶつかり小銭を落としたことから死ぬ前に金を返せと言いに行くのが、説得になる

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勘違い系の肝である、本人の知らない間に株が上がっていく展開を、すぐ本心をバラしてギャグにしてしまうので、ロングスパンでは盛り上がりに欠けたかなという印象。カメレオン矢沢の事をみんなが弱いと知ってしまっている展開というか、もう一捻りできた感がありました。

 

 GTOもそうですが、そんなことで改心したら苦労しねえ!&そんな勘違いする?を連打してくるのをきれいにまとめるほどの勢いや説得力には欠けました。コンピュータミスで選ばれたむちゃくちゃ教師の人間味や無茶苦茶ならでは魅力を活かしたいなら、生徒を問題児にして教師の欠点を抑えるべきだったと思います。GTOや梨本小鉄がこの手法ですが、なまじ破天荒なだけに生徒がいい子だと、教師サイドの悪い面が目についてしまいます。生徒を悪役にして教師のあらくれぶりに目を瞑らせるか、生徒の抱える問題を常識はずれにして、教師の長所をクローズアップするべきだったか。

 

デビュー連載なので構成の甘さは仕方ないところもあります。次作の大好王ではかなり考えて話を作ってきた感がありました。