チャイルドラゴン 全2巻 あずまけいしん 1999年
ブルースリーの生まれ変わりを自称するリュージはドラゴンになる為に弟子を100につくる事を目指して転校してきた、というギャグ漫画。
作者はブルースリーファンということですが、この時代にどれだけ知名度があったのか少々疑問です。知らないことはないだろうけど、音楽で言うビートルズくらいで、大人世代は誰もが知っているが、子供にとっては有名らしい、黄色いトラックスーツ着て戦うカンフーの達人。くらいの知識があれば上等ではないでしょうか。題材としてちと不利だったと思います。
低年齢向け小学生ギャグ漫画としてはありだと思うんですけど、それならブルースリーを題材にしない方が読者がわかると思うんですよね…。
小学生らしく、牛乳一気飲み対決で変顔で相手を笑わせて勝利とか
いじめられっ子を強くする為に、ブルースリーとのモノマネをやらせるとか、コロコロチックな地味なギャグ展開が受けなかったのか、次第にバトル物に移行していきます。
体脂肪85%の拳法殺し、学園のボス、同じチャイルドラゴンなどと戦っていきますが、拳法殺しはデブゴンモチーフで半分ギャグなのに、学園のボスは小学生にして釘バットやナイフを使うシリアスバトル、チャイルドラゴン対決はまた半分ギャグと、中途半端なまま終わってしまいました。本来は、たけしやリボーンの様にギャグで引っ張りつつここぞというところでシリアスバトルにに移行したかったんでしょうか、せっかくのギャグパートで、仲間になる味方キャラの顔見せや、レギュラーキャラの作成というバトルへの前振りができなかったのは痛かったです。
こんな世紀末思想の小学生がいるか?
小学校内でナイフを使ったバトル
いや、ちょっときついです。世界観核戦争後か?
同じ系統の伝説を継ぐライバル。
本来はこいつらをバンバン出して、本格バトルにしたかったんじゃないかなあ。
ちょっとギャグとバトルの間で迷走してしまい、どっちつかずのまま終わってしまいましたが、理想は、ギャグパートでチャイルドラゴンを何人か出して、仲間になってから本格バトルだったと思います。ギャグ→バトルの王道手法。そうならなかったのが、ギャグをメインでいけると思って日常ギャグパートを引っ張りすぎたのか、人気がです場当たり的にバトルに進んだのかはわかりませんが、初連載なので塩梅がわからなかったのもあると思います。以降の作品を見る限りではバトル嗜好っぽいんですけどね。