ナンバー10 全1巻 キユ 2002年
キユ先生についてはロケットでほぼ書いてしまったのでふれることが少ないのですが、友達が誰もいないアルゼンチンに引っ越した少年が、往年のスターに見出されサッカーを教わり、サッカーを通じて友人をつくり、ファンタジスタとして目覚めていくという王道と言えば王道のサッカー漫画。
ロケットで突き抜けろに関してはこちら
https://utikirimanga.hatenadiary.com/entry/2021/05/11/134005
展開も早く、1話で主人公の紹介、2話で技術的な補足、3話でライバル登場、4話で試合とスムーズに進行して、脇キャラも少しづつ立てていくんですが、練習試合1試合で終了。作劇は悪くなかったと思いますが、特筆すべき個性がなかった点、ファンタジーの説得力がなかった点などがマイナスでした。
ロケットもそうなんですけど、特にバックボーンのないすごい素質を持ったやつが、名手に認められて、楽しみながら上達して花開いていくって展開が作者の好みなのか、ロケットに引き続きこの展開を踏襲しています。あと、数年後に出てくるヒロイン。
今作も6年後にヒロインに再会して終わりますが、見開きでヒロインと再会で終わりっていうほどヒロインの比重が大きくなかったのに、プロになったシーンとかでなく、ここをラストに選んでいるのは作者のこだわりと思われます。
多少自己中心的だったロケットの主人公と比べても、性格も良く、話自体も明るく前向きでキャラの好感度は悪くなかったと思うんですが、よくあるパターンのお話から、特に主人公以外特徴のない味方、かと言ってスーパープレーを見せつけるほど絵にパワーがなく、後半出てきた必殺技が、それまでのリアル路線サッカーと比べても浮いてしまいました。
ちょっとこのネーミングはいただけなかったかなと。