切法師 2005年
鬼を退治する陰陽連の切法師、倫太郎は鬼の討伐の旅に出る。敵、職業、武器、モチベーションの説明と完璧な1話に好感の持てる性格の主人公なんですけど、オサレ度が低かったのが敗因か…。正直打ち切り漫画の1話の導入としては、「アイアンナイト」と並ぶ完成度だと思っているのですが、なぜこれが受けなかったんでしょう?
確かに必殺技の演出に見栄が足りないとか、法術の詠唱のオサレ度は低いです。BLEACHは偉大だ…。主人公がはだけた袈裟風衣装だったのもかっこよさではイマイチだったかしら…。仲間の集合絵を見るとこのあたりも改善されているので、仲間を早めにバンバン出すべきだったかもしれません。
必殺技
法術
最近珍しい捻くれてない真っ直ぐな主人公に気持ちいい物語。キャラの立て方も上手いです。
世界の広さと、村で生きる人々の様子、倫太郎のキャラの掘り下げとなる2.3話をへて、中ボスとなる村に生贄を要求する鬼との対決。倫太郎のキャラクターはよく描かれているのでここで1人仲間かヒロインを出せていれば…。
ラスボスとなる鳥枢沙摩明王率いる鬼の世を作ろうとする集団・魁鬼連も登場して、切法師側もメンバーを、結集して対抗しようとします。
ラスボス
さらに主人公チームは、別のキャラが集い7つの刀を集める展開の予定でした。
最初の中ボスに時間をかけすぎて仲間が出せないまま終わりになったのが悔やまれますが、これ自体もいらないエピソードではなく、更に並行して敵グループと味方グループの動きも描いてあるので、あながち失敗というわけでもありません。もう少し、せめて3巻まで出せる余裕が有れば名作として生き残れた可能性は感じます。
各属性の法術とか、七刀が変じて切法師とか、ラスボスを倒すのに7つの刀が必要そうであったり、主人公に伝説の法師と同じ謎の能力があったりとワクワク要素は高かったと思うんですよね。終盤で一気に開示されたのも惜しかったです。かと言って序盤で開示する暇なかったもんね…。
切法師の語源と伝説に連なる七刀
鬼の王を倒した7刀使い
最初の切法師
初代と同じ、全ての属性の力を使うことができる啓発紋を持つ倫太郎
丁寧に話を作れる作家が、設定もよく考えて、進行をほんの少し誤ったかという作品。ポテンシャルを考えると、本当に惜しい作品だっだと思います。
ドラゴンクエスト蒼天のソウラが連載中なので、好きな人にはおすすめします。切法師で、未消化だった筆力が存分に活かされています。