津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

ボーンコレクション  2020年

ボーンコレクション 全2巻 雲母坂 盾 2020年

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由緒正しい陰陽師の家系に生まれた迅内カザミは、陰陽術の才能が皆無だったが、代わりに妖怪の力を使う禁術「妖怪術」の才能に長けていた。しかし、妖怪術は使えば死刑という禁断の術だった。

ひょんなことから、人間になりたいガシャドクロの白羅さんと出会ったカザミは、1日デートをすることで気に入られ、白羅さんが人間になるまでコンビを組むことになる。妖怪コメディゆるバトル漫画。

 

全体的にバトルもゆる〜いコメディ色の漂う妖怪漫画。方針が決まるまで話をどう転がそうか悩んだということで、導入は素晴らしく少年漫画しているのですが、展開はコメディ調が多く、シリアスなのかバトルなのか、リボーンみたいな日常ギャグとシリアスバトルを切り替えるのか、ハーメルンのバイオリン弾きザ・モモタロウみたいにバトル自体をコメディ調でやるのか、作品自体をどの方向に持っていくかが決まるまでどっちつかずになってしまったのが惜しいです。作者自身、「白羅さんのキャラは登場からぶれずに定っていたが、カザミのキャラが決まったのは8話くらい」とコメントしています。

振り切れてからの終盤の突き抜け方はすばらしく、心に残る打ち切り漫画となりました。賛否はあれど本領を発揮してファンがついたことは確かなので次回は初手からの全開投球に期待したいところです。

 

導入はメチャクチャ少年漫画、空から降ってくる女の子、人間になりたい可愛い大妖怪、血筋はいいが落ちこぼれ陰陽師のカザミくんはバレると死刑になる禁術の使い手、始末するべき妖怪に惚れられるカザミくん、妖怪を退治することで人間に近づく大妖怪、妖怪を退治する事で人間性を失って妖怪に乗っ取られる主人公。

 

少年漫画のお手本みたいな出会い

ボーイミーツガール

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1日デートで白羅さんに気に入られるカザミ

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人間になりたい妖怪

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使えば最終的に妖怪に乗っ取られる禁術・妖怪術

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でも、基本的に善性の人なので誰かを守る為に術を使ってしまうカザミ

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設定自体はうまくできており、ラブコメにもシリアスにも転がせる上、白羅さんの正体を秘匿して妖怪退治にも、白羅さんの正体がバレて追われる身にも転がせる上、話が進めば人間化が進んで弱体化する相棒、人間性を喪失していく主人公などもりあげる要素にも事欠きません。王道にして融通効きやすい設定。

 

カザミくんの、女の子にモテたい、妖怪と人間の関係をよくしたい、誰かを守りたい、あたりのキャラの主軸が決まるまでと、バトルとコメディの味付けの方向性が決まるまでが少し長かったです。

 

敵妖怪が段々と怖い存在から、大妖怪でもへっぽこな味付けになってくる酒呑童子

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締めもドッジボールという緩さ

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全体の方向性がきまったミルクボーイと妖怪牛小屋潰し回 10話

牛乳を作る妖怪というゆるさと謎のミルクボーイ連呼。妖怪と人間の架け橋になりたいというカザミの目標を具体的に実践して夢が定まるというゆるく見えて作品の趣旨を綺麗になぞった回。

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しかし、そこから最終エピソード。

大妖怪の脱獄、陰陽師の四天王の二人目、妖怪術の師匠の登場。と、一転バトル寄りのシリアス導入。

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人死にも出るんですが、バトル自体はゆるいノリのまま。

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そのまま結婚式に突入して、ラスボスを倒して終わります。今までも骨の武器は刀だったら槍だったり、掃除機だったり多種多様で付加能力もついていましたが、結婚式が出てくるとは‥。一応、恐怖という概念を礎にする妖怪を陽の究極の祝祭である結婚式により封じ込めるという理屈らしきものが微かに提示されますが、今までそんな概念なかったよね?ミルクボーイとか出てたし完全に別世界から来た生き物扱いだったよね?

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オチ自体は綺麗に決まっておしまい。

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何故か単行本に収録されていない読切では、タイトル通り骨を集めるのが目的で、お色気白羅さんとコンビのバトルがメインになっています。こっちの方が少年受けしそうでしたがなんで路線変更しちゃったんでしょうかね。2話の表紙におっぱい強調白羅さんかいたら、女子受けしないからダメが出たと書かれていましたので、担当編集の意向があったのかしら?読切と全く同じ路線のあやトラがその後連載で始まったので、いい判断だったのかどうかは微妙なところだと思います。とりあえず単行本に収録してくれえ。

 

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