翔と大地 全3巻 高橋よしひろ 1982年
少年ボクシング漫画なのに!
一巻はほぼ闘犬の話!
犬好きすぎぃー!!
翔のボクシングを通しての成長と大地の闘犬としての活躍と翔と大地の絆を並行して描きたかったのでしょう。いや、本気を出す前のよしひろ先生なので人間の話が半分もあるのかも…
男手1人で子供を育てる船乗りの父と、闘犬の大地を育てる翔。大地が横綱を狙えるほどになったころ、父は嵐で亡くなります。残された翔はボクシングジムに引き取られ、大地と別れることになり、元世界ランカーだった父を越えるべくボクシングに傾倒していくというお話。
翔と大地は親友のように育ち、大地は闘犬として活躍していく
父の死に加えて、大地との別れ
見よ!この人間らしい大地の表情!
ボクシングを始めて、父の血が開花していきます。
同じジムの先輩が親に捨てられた過去を持っていたり、ジムの会長が元ヤクザだったり、ライバルジムのコーチがジムの先輩の元同僚で世界を狙える器だったが暴力事件を起こして引退してたり、やたら過去の因縁が出てくるんですが、人間ドラマを描こうとして広げた風呂敷をたたみきれなかった模様です。象徴が横綱になってから前足を食いちぎられた大地で前半のかなりの部分を大地に裂きながら物語上特に必要ないエピソードになってしまってます。
親に捨てられたジムの先輩
何かと絡んでくるが基本的にはいい兄貴分
ジムの会長
ライバルジムのコーチと主人公ジムの世界チャンプの過去
大地は闘犬として横綱になるも足を食いちぎられる。しかし打ち切りのため途中から闘犬パートは無かったことに。
並行して2つの物語を描くのは厳しいと悟ったのか、この後は白い戦士ヤマトで犬に焦点を絞り、銀牙で人間無しでも、犬ドラマをやればいいじゃないかと覚醒してしまいます。以後犬漫画家として名を馳せますが、こんなジャンル縛りをしている作家は野球漫画の水島新司先生と犬漫画の高橋よしひろ先生くらいなので、オンリーワンの地位を築いたと言ってもいいでしょう。
フィンランドでも大人気。銀牙続編も、キン肉マンを除けば二世物で最も成功した部類に入ります。
ちなみに、作中世界チャンプの背後を取り、色紙を突き破るという範馬勇次郎並みのパンチ力を見せつけて、ヤクザとの争いにも手助けしてくれ、先輩と母とのわだかまりも説いてくれる上に試合の解説までしてくれる超お助けキャラダニー・蘇我ですが、最後まで何者かわからないまま消えていきます。尺の都合で仕方ないんですが、お前なんだったんだよ。
世界チャンプの背後をとるフットワーク
色紙を貫くパンチ力。オ、オーガ!
ヤクザとの戦いにも助っ人に来てくれる
万能キャラ
先輩を捨てた母親とのわだかまりも解いてくれます。有能すぎる…。
嘘みたいだろ?これで正体不明のまま話から消えるんだぜ…。