あした天兵 全2巻 原作 やまさき十三 作画 幡地英明 1983年
青春ものなのか野球漫画なのか分類しにくい漫画。上杉和也が死ぬ前に打ち切られたタッチとでも言えばいいのか。なにせ、主人公が野球に対する鬱屈した気持ちを抱えてる描写は序盤から出ているんですが、実際野球を始めるのが12話。試合は21話でその次で最終回です。
前半は好きな女の子との微妙な関係の話、後半は不良高校の野球部をよみがえらせるお話。
微妙な関係の天兵とヒロイン沢井
キスをした甲子園のヒーロー村雨の応援に行かず、天兵たちと海にくる沢井
1巻はほぼこの微妙な男女関係のお話
少年誌にしては話が重く、ヒロインの友人の父が事業に失敗して、それでもピアノを続ける為に友人が体を売ろうとするんですが、相手はヒロインの父親だったり、その事にショックを受けてヒロインが入水自殺未遂をおこしたり、主人公の母に再婚をもちかけてく店の常連が妻子持ちだったり、部活のマネージャーがレイプされてたりと、大映ドラマ並みに次々に苦難が襲い掛かります。
友達がお金に困ってデートクラブに斡旋された客はヒロインの父だった
ショックで入水自殺未遂を起こすヒロイン
家に帰ると母親が妻子持ちの男とキス
高校の野球部はマネージャーがレイプされていた
やる気をなくし、タバコと麻雀の日々の野球部
じっくり尺がとれれば、複雑な青春模様を描いた作品になれたかもしれないですが、いかんせん少年ジャンプ向けではありませんでした。
唯一高校の部活の男装のマネージャーがダブルヒロインぽくなるのは好きだったんですけどまあ、ちょっと厳しかった作品です。
主人公の目標が定まるのが最終回1話前というのは遅すぎました。