津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

ショーアップ・ハイスクール  1980年

ショーアップ・ハイスクール 全1巻 原作 篝一人 作画 谷村ひとし 1980年

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いきなり時代が戻りますが、これだけ1980年から現在までの3巻以内完結ジャンプ打ち切り漫画の中で長らく入手できなかった為記事が書けなかった作品です。

 

パチンコ漫画の、「お、オスイチだぁ〜」で有名な谷村先生ですが、なんとジャンプ漫画家だったんですね。

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内容は、型破りな高校生たちが、高校生活を楽しくすごす為にショーアップするという、タイトル通り「ショーアップ・ハイスクール」。ただし、80年掲載のため、倫理観がだいぶ違います。

 

1話からヴィトンのバッグを買うためにサラ金から借金して自殺未遂を起こしたクラスメイトの返済のために、無許可で文化祭で有料のプロレス興行をうち、集まったお金を寄付するという名目で借金返済に捻出します。ええええ。

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2話はだいぶマイルドかつ、賢い話で、女子校の女の子と主人公たちの高校でカップルを作るべく、女の子リストを作り販売、意中の子にお付き合いの打診をする仕組みを作るというお話。男との出会いを求めていた女子が次第に偏差値や身長などのスペックにこだわるようになり、選ぶ側になると傲慢になっていくあたりはリアリティがあります。

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3話はビアホールに行く生徒を締め付ける学校に対して、学校自体を疑似ラスベガスにして対抗するお話。タバコといい酒といい80年頃がいかにおおらかだったかがわかります。

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後半は、教育委員会から送り込まれた学校改善請負組織、教委会エンジェル(80年っぽい!)の規律とスパルタによる罠を見破り、学校を救う話や、バンドマンに襲われそうになるクラスメイトを助ける話など、比較的定番な話で尻すぼみに終わってしまいます。

 

漫画よりもテレビドラマ向けのお話で、リッキー台風やDr.スランプ、激!極虎一家が連載された年度でこれは厳しかったかなあという印象。80年初頭はジャンプでも割とドラマっぽい題材が多かったんですよね。

未婚の母と一人息子の家庭を描いたJUNとか、好きなクラスメイトの女の子が父親が売春してることを知って自殺未遂するあした天兵とか、記憶喪失の天才ボクサーとヤクザの娘とその恋人のチンピラの三角関係を描いたKIDとか。

 

流通量が少ないので目にすることはほとんどないだろうという幻の漫画です。