こもれ陽の下で… 全3巻 北条司 1993年
作者自身が「美女とアクション」というイメージがつくのが嫌で2つを封印して描いた作品。本人も短命だとは覚悟していたそうです。
これなかなかできることではないので、セルフコピーで失敗する大御所には見習って欲しいもの。
黄金期の作品でヒット作のセルフコピーから完全に逃れた作者って
Dr.スランプ→ドラゴンボールの鳥山明先生、キャッツアイ→シティーハンター→こもれ陽の下での北条司先生、ろくでなしブルース→ルーキーズ→べしゃり暮らしの森田まさのり先生以外あまり思いつかないくらいなんですよね。
リングにかけろ→風魔の小次郎→男坂→聖闘士星矢までの流れは車田正美先生も完璧に近かったんですけど…。
植物の声がきこえるが、小学生の姿から成長しないヒロインサラが、周りのトラブルを解決していくという叙情的な話。確かにジャンプでは厳しいものがありました。
美女はともかくアクションなしでスポーツ、知的遊戯でもない物語となると人情物かギャグ、ウンチクもの、恋愛物あたりにかぎられるので
中々難しいところがあると思います。こち亀は偉大だ。
これに対する回答としては作者自身が次次作のファミリーコンボでホームコメディでの成功を達成しています。バンチ創刊の忙しさで中途半端な終わりになったのは残念でした。ちなみにヒット作を出した後に売れ行き度外視で好きな事をやった例としては、今作の他に、藤崎竜先生の「サクラテツ対話篇」があります。漫☆画太郎先生の「まんゆうき」冨樫義博先生「レベルE」あたりもヒットを考えて描いたかというと微妙なラインだと思われます。あと、岸大武郎先生はヒット関係なく好きなものを描いていた感。恐竜大紀行とてんぎゃんですからね…。