神光援団紳士録 全2巻 岩田康照 1996年
はい、覚えてる人手を挙げて!ジャンプ打ち切り漫画界隈でも全然話口の端に登らないマイナー打ち切り漫画です。
チアガール目当てで応援団に入ったヒデキチは次第に応援団のカッコよさに目覚めていくというジャンプには珍しい応援団物。
応援団物は名門!多古西応援団やヒップホップ応援団のようなヤンキーバトル物と、男旗のような応援活動をメインにしたものに分かれますが、こちらは後者。ギャグをいれつつ厳しいしごきに耐えながら、応援団のカッコよさに目覚めていく描写はなかなか読ませるんですが、ヤンキー物下火時代にこのノリは…。
お約束のヤンキーバトルもあり、キャラも新入部員5人のうち経験者の真面目な奴が1人、主人公と相棒、女目当ての盗撮魔と、観戦が好きなデブでコンパクトにまとめており、経験者の葛藤や、練習についていけないデブの成長、仲間との関わりなどを上手くえがいていました。盗撮魔と相棒の掘り下げはもう少し欲しかったですが、2巻打ち切りだから尺がさけなかった可能性が高いです。
しごきに耐えながら応援団のかっこよさに目覚めていく
実戦であまりの過酷さに途中でリタイア
団長が応援団の真髄を語る
この辺りは結構読ませます
作者はこの後ヤンサンに移り、球魂でそこそこヒットを出し、その後も青年誌で活躍します。一巻の中表紙の遊び心なんかは好きなんですけど、演舞の面白さを伝えるのは難しかったです。対戦形式などを導入した石山東吉先生の男旗は今思えば上手かったですね。
チア物を除く応援団漫画は、嗚呼花の応援団と男旗を除いて軒並みマガジンなのでマガジンと間違えられていたりすることもある不遇な作品でした。