津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

少年探偵Q 1998年 

少年探偵Q 全2巻 原作 円陣 作画 しんがぎん  1998年 

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マガジン金田一、サンデーコナンの人気を受け集英社社長から推理漫画を立ち上げろの声がかかり、連載に至った曰く付き作品。人気小役タレント久太が難事件を解決していく推理漫画。

 

決め台詞は「事件解決のシナリオは、これで完成だっ!」

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相変わらず女の子は可愛いですおそらく原作付きジャンプ漫画の中でも有数の評判の悪い原作。原作者・円陣の素性がほぼ不明な事、編集長の鳥嶋自身が乗り気でなかった事、作画のしんがぎん先生が画力がありながらこの連載を最後に夭逝した事などから、がぎん先生の不遇をかき立てられる作品となっています。がぎん先生自身が後書きにも物申したさそうなコメントを残しています。

 

女の子のクオリティは相変わらず高いんですが

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WIKIより連載の経緯と、連載中の問題。

編集長ですら乗り気でなかった連載を割り当てられて、適当原作で捨て石にされたがぎん先生が報われなさすぎでやりきれません。

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巻末の呟きも、「下手な仕事を受けたら自分の評価を下げることになるので、責任の持てない仕事はうけない方がいい」という自戒にも受け取れます。


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問題の本編なんですが、一例を出すと、学園の殺人事件を解決にいく回なんですけど、秘密の地下道を動く殺人犯を捕まえられずに追いかけていくんですけど、Q達くるまで殺人犯以外この地下道に気がついてないんですね。

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学校の下にこんな広大な地下道があって殺人犯になった生徒1人しか気がつかないとかある?

旧日本軍の施設の改装とかいう設定なんだけど業者は黙ってたのか?どんな引き継ぎがされてたんだよ!と即座に疑問が浮かびます。

 

更に、施設が現役稼働しておりQ達は水責めを喰らうんですけど、拷問用ってレベルじゃねえ!「地下室の処刑場」とか言ってますけど、何故旧日本軍はこんな酔狂な処刑場を作る必要があったのか?水が溜まるまで相当時間がかかります。まず水はどこから持ってきたの?これだけ水源あって気がつかないもの?上に学校たってるのよ?めちゃくちゃ深く掘ってますけど、誰もこれ調べてないの?そもそも地下迷路に水責めってキン肉マン王位争奪戦の「飛車角の迷宮」かよ!など、学園の殺人事件のギミックとしてはありえない規模のギミックが出てきて読者を困惑させます。

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更にギロチンとかつりかごとか、戦時中の拷問に使っていたという謳い文句の拷問器具が出てきますけど、ギロチンつかったら即死じゃねえか!それは、拷問でなくて処刑に使うものだとおもいます。

え、これ50年前の遺産を使えるように、学校に通いながら犯人がメンテしたの?そもそも吊りかごとかマニアックなもの使わなくても牢屋か、手足を縛ってその辺に放置で良くない?など、合理性じゃなくて、物語の見栄えのためだけに設置されたであろう不合理な舞台設定が、ますますこの漫画に対する期待度を下げていきます…。

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現役稼働するギロチン 誰がメンテしたんや…

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まあ、こんな感じだったので、打ち切りも仕方ないのですけど、このストーリーを描かされたしんがぎん先生はちょっとたまったものではなかったのではないかと思います。