あっけら貫刃帖 全2巻 小林ゆき 2002年
戦国時代、人を斬ることを追及した結果、血を吸う事で自己修復を行うけして折れない刀が作造られた。その刀はやがて血を求めて彷徨う生きた刀が・刀魔となってしまった。幕府により封印されていた刀魔だが、2年前に封印が解けて逃げ出してしまう。
父を刀魔に殺されて仇を追う青葉は、刀魔を封印する刀狩り衆の裂鬼助と出会い、刀狩り衆見習いになる。いずれも刀魔に身内を殺された刀狩り衆たちだが、唯一裂鬼助の正体は人類側に味方をする刀魔だった。
ちびキャラからかっこいい本性の出現、
人類に味方する最強の刀魔という設定、
ラスボスはサク裂鬼助の実の弟、
刀狩り仲間からも刀魔という事で悪まれる裂鬼助、
刀狩り最強で、裂鬼助を親友だと思っていたが、正体を知って許せなくなった架銀、
など2巻終了ながらコンパクトに色々な要素は打ち込んであるんですが、回収する前に終わってしまいました。
複雑な設定、特に相棒となる裂鬼助に属性を盛りすぎたせいで主人公のキャラ立ちが薄くなった感があります。ソワカと同じで設定周りを重くしすぎて、設定の開示とキャラの掘り下げのバランスが前者に寄りすぎたかなという作品。
ダブル主人公にした為、どっちつかずになってしまった上、裂鬼助側の因縁ばかりをクローズアップした為、青葉のキャラが空気に近くなってしまいました。また、敵キャラである刀魔ならネームドが出てこないまま進むため、敵に魅了が薄かったです。
キャラの顔見せが終わった程度で、ラスボスに関してはどんなキャラかもわからないまま、「壮絶な対戦があったことは言うまでもない」で終わらされる因縁。
ジャンプ自体の和風・時代物作品は比較的多く、40年で25作品、そのうちヒットが6作品と野球、サッカー漫画に比べても遜色ないヒット率は高いです。(野球5/20サッカー4/15)
ただ味方側の武器が、和風物最大の魅力である刀ではなく、槌だったのは痛かったと思います