津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

鍵人  2009年

鍵人 全2巻 田中靖規 2009年 

f:id:jiholeopardon:20210625171751j:image

 

鍵人と呼ばれる人間兵器の争いによって文明の崩壊した世界、鍵人ツバメは帝国から逃げ古代遺跡のサルベージを生業としていたが、ガッピア帝国の探索に引っかかり、断空の剣を使い戦うことになる。

 

鍵に適合すると鍵穴ができる

f:id:jiholeopardon:20210625171740j:image

適合した鍵により能力が使えるようになる

f:id:jiholeopardon:20210625171744j:image

 

 

瞳のカトブレパスから絵柄を変えて師匠の色がほとんど消えています。女性キャラも可愛く、能力バトルもいいんですが、帝国の内情、鍵人の実験体の説明、帝国への潜入、などで尺を使いすぎて、3ー10話までバトルはありといえ煮え切らない説明パートだったのが痛いです。

 

本題である鍵人同士の戦い。デジャニラによる帝国の乗っ取り、ショタっこ皇帝アルデバランによる帝国の再建が後回しになってしまいました。特に見せ所である鍵人同士の戦いが終盤に回ったのは致命的でした。

 

反政府組織とか

f:id:jiholeopardon:20210628201703j:image

ショタっこ皇帝と対デジャニラの政争を行うとか、構想はあったと思うんですが…

f:id:jiholeopardon:20210628201709j:image

 

あとは、カトブレパスと同じで能力が強すぎてバトルでの使い勝手が悪すぎたとおもいます。視界に映るものを任意に切断できるって、もう相手が不死、幻術、時間停止、空間歪曲系じゃないと戦えないじゃないですか!案の定最初の敵の鍵人はなんでも燃やす炎の能力者「炎帝」なんですが、本来主役クラスの能力のはずの炎使いが、使い捨てでやられてしまいます。

 

一応他の鍵人の能力が、戦闘狂のライバル・アスラの、相手の脅威に反応して形状を変える死の鍵、猫耳ヒロイン・セディーユのあらゆる攻撃を防ぎ、他の鍵の能力を封じる破邪の鍵、雷を操る雷霆のカロンなどとんでも能力者ばかりだったので、すごい能力をさらにすごい能力で倒すという近年の流行を先取りしていたのかもしれません。

 

f:id:jiholeopardon:20210628201855j:image

f:id:jiholeopardon:20210628201900j:image

 

女性キャラは可愛かった

f:id:jiholeopardon:20210625171731j:image

f:id:jiholeopardon:20210625171735j:image

 

2000年を生きるキチガイ科学者デジャニラの壮大な実験を描き切れませんでした。

f:id:jiholeopardon:20210628202042j:image

 

田中先生はこの後ジャンプをはなれ、しばらく色々描いた後サマータイムレンダで成功するんですが、カトブレパスといいこれといい進行が緩めで、終盤で設定の大量投下をすることになったあたり、長い目で見てくれる雑誌の方が向いていた感じはします。