津尾尋華のジャンプ打ち切り漫画紹介

週刊少年ジャンプの三巻完結以内の打ち切り漫画の紹介。時々他誌や奇漫画の紹介も。

NOAH'S NOTES 2018年

NOAH'S NOTES 全3巻 池沢春人 2018年 

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女子高生・寿未来はたまたま見かけた金属片をSNSにアップしたことから、地球が2022年を境に滅亡し、ループしていることを知る。2週目の人類の滅亡まであと4年。天才考古学者ノアと未来は人類の滅亡の謎を解き、止めることができるのか?

 

滅亡とループを繰り返す人類

その謎を解くという壮大なオープニング

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ループの謎を解明するために遺物「NOTES」を探す未来たちはループの手がかりを消していくという人類最古の秘密結社聖堂騎士団と衝突する。「NOTES」操り、なにかを知る聖堂騎士団

そんな時ノアの師匠から弟子たちに招集がかかる。アークラボの天才たちが集う中現れた教授は未来を銃殺する。目的は何なのか。未来の役割とは?

 

ループのてがかりを消していく聖堂騎士団はなにをしるのか?

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未来は何故撃たれてしまうのか?

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ジャンプには珍しい「(ループ)世界の謎を解き明かすSF物」「ギャル女子高生主人公」「考古学者と助手のバディ物」で、新しい事をやってやろうという作者の意欲はものすごく感じ取れます。炎上云々もありましたが、個人的には好きな作品。

お馬鹿な女子高生が学問を真面目に考えて成長する描写などよく描けているとおもいます。少年誌らしく勉強に、向き合っているのも⚪︎。暗殺教室以来の正面から勉強を肯定する物語。ドクストにもアンデラにもなれる可能性を秘めていたと思います。

 

何故勉強するのかとか。

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ループを起こす原因が、人為なのか、現象なのかわからず、手がかりもすくなく、目的までの進路が壮大すぎて把握できなかったので、短期的目標が欲しかったところです。

その役割だった聖堂騎士団がまた手の届かない強さで目的不明という…。手の届く目標が最終的な目標につながっている感がなかったので縦軸が分かりにくいという難点がありました。

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この辺りは、地道に話を進めながら壮大なストーリーにつなぐドクストや、派手に話を展開して短期的で魅力的な敵を次々に繰り出してくるアンデラなんかと比較すると流石に練り込みが甘かった印象ですが、ここまで壮大な話をエンタメとして見せるなら、原作欲しいところです。一人でこれを回すのは大変だったでしょう。

 

出会い→ミッション→仲間とのミッション→全員集合のミッションの目的が全て異なり、ちょっと着地点がわかりにくかったです。ミッションごとのエピソード自体は嫌いじゃないんですが、やや年齢層高め向けな印象。謎をちらばめすぎて答えが与えられないのでヤキモキする展開が続いてしまいました。

 

クセのある仲間たちは良かったんですよ

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アークラボ集結も熱いんですけど終盤すぎました。

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強力な個性を持つアークラボのメンバーを早めに出して、聖堂騎士団とのバトルを入れたらという気もしますが(アンデラメソッド)、根本的にバトルに向き合う漫画じゃない感じなんですよね。人間関係のエモさと謎の解明を主軸にしたい印象。雑誌の方向と作者のやりたい事に乖離があったかなあ。

 

いつか、人類滅亡&ループ説が証明された時、人々にそれを信じさせるために「全人類から信用される学者」を演じる。

それは、自分を見出してくれたノアの恩に報いるため。己に課した使命。

 

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死ぬくらいなら研究辞めようよという未来の問いかけ。こういうキャラの立て方は上手いんですよね。
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次第に本気になっていく未来

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21人妻がいる地質学者の砂漠の国の王子様アリー、無茶苦茶やる俺様系天才量子物理学者のギル、怪しい薬をつくる目隠れ薬学者のニナ、直情馬鹿の海洋学者カイ、ニコニコ腹黒友情ライバル古生物学者ルーロンと美味しいキャラ立てはしてあり、仮説を話し合うシーンとか良かったんですよ…。

 

それぞれキャラはたっているアークラボメンバー。やっぱり登場が遅かったのがいけなかったか。

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結局ループの原因、聖堂騎士団の目的、教授の目的、誰がなんのためにループを作っているのか、自然現象なのか、何もわからないまま撃たれた未来が気がつくと1話冒頭に戻り、今回は記憶が継承されたという、前回から一歩進んだことを示して終了。
何もわからなーい!

 

何度繰り返しても死ぬ未来

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ループを明確に体験している教授
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記憶を継承する未来
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クロガネ、ものの歩、ノアズノーツと3連続失敗した作者は、この後ペンネームを変更し、ジャンプ+でスポ根コスプレ漫画、2.5次元の誘惑描いて成功します。単なるエロコメでなく、サブカルへの思い入れと文化系スポ根がうまく絡み合った、作者の長所がいかされた良作です。