番外編 蹴撃手マモル
80年代、北斗の拳や聖闘士星矢、魁!男塾などのトンデモ格闘路線が一段落すると、87年から修羅の門、88年拳児、89年熱風キッズなどリアル系格闘技路線が流行になっていきます。
そんな中ゆで先生もリアル系格闘路線に移行。本格ムエタイ漫画でのブレイクを目指します。リア、リアル系?まあガンダムだってリアル系ですし…。
天才体操選手の中学生マモルは、ジュニアの日本代表としてタイの大会に出場中、生き別れの兄・イサオとムエタイチャンプ・キング・パイソンの試合を観戦。必要以上に兄に攻撃を加えるバイソンに喧嘩を売り、3ヶ月の間にパイソンと4人の弟子に挑戦し、勝利しなければならなくなる。
マモルは幻の達人ゼペット・チャンガーに弟子入りし、人並外れたジャンプ力を活かした奇想天外なキックボクサーになるべく特訓をかさねる。
足の骨を折り、その骨が血管を上って心臓に辿り着くと死亡すると言う絶技。骨が上るまで90日かかり、移動と共に蛇の刺青が対象者の体を覆っていきます。うーん🧐
特訓も闘将!拉麺男くらいの謎科学レベルで作られた泥人形と戦ったり、蜂を打ち落としたり、膝で1トンのトロッコを動かすというレトロ風味。ぶっちゃけこの時代でもやや古めのテイストでした。
ムエタイがマイナーな時代にチャランポ、テツ、ティーソークなどを子供達に伝えた功績はあるのですが、やはり現実路線とゆで先生は相性が悪かったのか次第に変態格闘路線に突入していきます。
チャランポは結構流行りました
言うてただの蹴りなのでハッタリに乏しい面はありました。そこで!
ゲェーッ!キックボクシングに激突落下技だとーッ!?
敵の技もぎりぎりリアルくらいの路線から、ゴム人間とか無茶のある設定に変わっていきます。
更にはどう見てもキン肉バスターな技なんかも出ますが、時すでに遅く打ち切り。その一年後にK1ブームが来て一年早かったと言われたそうですが、K1来ても波に乗れたかというと…。尚Wikiによると作中の特訓は現実のムエタイのものではなくゆで先生の創作との事。いや、言われなくても、ノンフィクションと思うやついないだろ!
これは…。キン肉……バ
ニシキヘビ会の4人の弟子のうち2人を倒したところで打ち切り。残り2人の弟子を倒すために、満身創痍のマモルのもと2人の助っ人が現れて、「戦いはこれからだ!」で終わり。ゆうれい小僧もそうなんですけど、ゆで先生テンプレ的な打ち切りエンドを選択しがちです。